ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

万葉集!

万葉集で誰が好き?と聞かれ、額田大王(ぬかたのおおきみ)と
答えたら、「実は私も!特に巻1-9の歌が私のお気に入りよ!」と。


三諸(みもろ)の山見つつゆけ我が背子がい立たせりけむ厳橿(いつかし)が本

(今しばらく、懐かしい三輪の山を眺めつつお行きなさい。
いとしいあの人がお立ちになっていた、あの山の麓の、神聖な樫の木のもとを)

意外、額田大王が好きな人は多いかもしれないけれど、
この歌?と思ってしまった。私の中で額田大王といえば、
やっぱり「あかねさす…」だった。


あかねさす紫野行き標野(しめの)行き野守は見ずや君が袖振る(1-20)

紫草の生える野を、狩場の標(しめ)を張ったその野を行きながら、
そんなことをなさって――野の番人が見るではございませんか。
あなたが私の方へ袖を振っておられるのを。


でも、実は私が好きなのはコレじゃない。
歌はもう大好きすぎで諳んじているものの、巻のどこかはわからず
調べた。


君待つと我(あ)が恋ひ居れば我(わ)が宿の簾(すだれ)動かし秋の風吹く
(4-488)

あなたを思っていたら、家の簾が動いた。
あなたかと思ったら、秋の風だった。

という恋人の来訪を待ちわびた歌。それに対して、実は
額田大王の姉と言われている鏡大王(かがみのおおきみ)が
歌を読んでいる。

風をだに恋ふるは羨(とも)し風をだに来むとし待たば何か嘆かむ
(4-488)

風がきたことに恋人がきたかと想像できるだけ羨ましい。
風(恋人)の訪れさえない私と比べて、何を嘆くというのか。


あぁ~、切ない!!切なすぎるわ~と身もだえしたものです。
私が好きなのは切ない胸が痛くなるようなこのニ首。
好きな人からのメールかと思ったら、母や友達だった…とかいう
経験、誰にでもあるわよね~。
恋歌を語らせたら、山川登美子とか和泉式部も絶対におすすめで、
俵まちよりも私は断然、林あまり派!とか話は尽きなかったりします。

なんてことを手紙を通して、ずっと語り合っているのは
実はアメリカの19歳の女子大生。
私たちの手紙の半分が文房具の話題で、そのほかは日本文学。
ちょろっと近況という変わった手紙のやりとり。
こんなところで、日本文学好きに出会えるとは!
文学部時代は本大好きの人たちばかりで、
ずっと本の話をしていたけれど、最近はめっきり…だったのに
彼女に手紙を書いていると、まるで大学時代に戻った気分。


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