ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

フランスのテロ

フランスのテロの一報を聞き、フランスのパルに安否確認メールをした。

(そのときは、まだ犯人は逃走中だった)

彼女はパリ出身で、いまはパリに住んでいないけれど、

彼女の妹一家はパリ在住。

「妹一家は大丈夫だったけれど、怯えてるわ。あちこちに警官や

軍人がたくさんいて、戦争中みたい。」と彼女のメールにあった。

「今日、TVで、東京の人々がフランス国家を歌いながら

フランスを心配してくれている映像を何度も観たわ。

あたたかい涙が流れたわ。」と。

アルジェリアのパルからも「フランスのテロを知ってる?」と

whatsappでメッセージがきた。

「もちろん。恐ろしい事件で日本でもTVでずっとしてる。」

犯人が逃走中のときで、私が知っていた情報は

”フランス人””イスラム教徒””移民問題”。

モロッコのパルがフランスのパリに3年ほど住んでいたけれど、

「とても居心地悪かった」と以前、語っていたのを思い出した。

パリはイスラム教徒が多いから、生活する上で不便はない。

だからといって偏見や差別がないわけでもない、と。

それに比べて、”岡山”では、イスラム教徒への偏見なんてなかった!!と

続いていた。彼が住んだ”パリ”との比較論に”岡山”ですよ…。

”日本”と”フランス”と大きく比較しないところを私は好ましく聞いたのを

思い出し、つい、

イスラム教徒への偏見を助長しなければいいけれど。」と

彼女に呟いてしまった。

アルジェリア人、イスラム教徒の彼女に。

「なんで、そこにイスラム教徒がでてくるの?

彼らはイスラム教の侮辱云々と言っているけれど、

彼らはイスラムの戒律である”汝、殺すなかれ”すら守ってないし、

チュニジアでも警官を殺しているのよ。」と。

チュニジアで彼らが警官を殺した”という話は初耳で、検索すると

その事件は確かにヒットするけれど、私の調べた限りでは

今回のフランスのテロとの関係性を見つけることはできなかった。

今回のテロで、パリの人々は移民に対して、

特に”イスラム教徒”への不安を増幅させるのは安易に想像できるし、

私もつい”イスラム国”をそのまま英訳して、”Isram country"としてしまい、

「どういうこと?!」と彼女に怒られた。

イスラム国、英語ではISIL(Isramic State in Iraq and the Levant),

IS(Isramic State)などと呼んでいるようです。

これはテロ組織だから、アルカイダと同じ扱いなので、

私が”Isramic country"と一緒くたに形容したことを彼女が怒るのも当然。

「彼らは”イスラム教徒”以前に、テロなのよ!」と。

犯罪者にいちいち宗教をつける必要はない、ということです。

新聞などにも”仏教徒の殺人犯”などとは載らないのに、

そういえば、テロに関しては”イスラム教徒”とでているものなぁ…。

新興宗教やカルト教団と同じ扱いになっていることに彼女が憤るのもわかる。

「彼らは、イスラム教徒だというけれど、勝手な解釈で

自分たちの好きなようにイスラム教を使っているだけ。

本当のイスラム教徒ではない。」と何度も言っていた。

彼女の言いたいことはわかる。アルジェリアで日本人が殺されたときと同じ、

彼らは”イスラム教徒”というくくりかたではなく、”テロ”なんだ。

彼らの理由は彼らしか理解できないもので、

「テロは許さない」とテロに怒らなければならない。

テロが作られた素地としての”移民社会”を語る人もいるけれど、

それはもう犯罪論の世界の気がする。卵が先か、鶏が先か。

”社会が人を作る”のか”人が社会を作るのか”です。

移民社会がそういうテロを生み出した、というのが主流の気がするけれど、

私はその考え方が好きではない。

社会を作り出すのはひとりひとりなのだから。

…そして、卵と鶏の問題にまた戻った。

理論は置いといて、

フランスへのテロに最大級の憤りを感じるし、

ありとあらゆる言葉で罵倒したくなる。

それはきっと、日本人の私もアルジェリア人の彼女も同じで、

各国のパルたちも同じ。私たちが考えることは、

いかにテロをとめるかであって、そういう方向性で全世界が考えてほしいと思った。

テロは悪い、風刺画も出版の自由も当然、と思うけれど、

一方でふと思った。「その皮肉はイスラム教徒にだけ向けられたのか?」と。

例えば、バチカンだって少年へのレイプなどたくさんあったけれど、

それらの風刺画なんてのもやっぱりあったのかしら?

検索してもでてこなかったけれど…。

それも含めて、そういう社会の雰囲気があったのかな?とも思った。

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