ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

『女たちの和平交渉』

小島慶子の本を3冊、この1週間で読んだ。
歯科医院に行くたびに読んでいたVERYで唯一、
楽しめるのは小島慶子のエッセイ。
それなら、いっそ書籍化されたものを読んでみよう!と買ってみた。
私が読んだ3冊の中で、一番考えさせられたのは『女たちの和平交渉』

 

 

女たちの和平交渉 (VERY BOOKS)

女たちの和平交渉 (VERY BOOKS)

 

 

彼女のVERYのエッセイも、VERYでこれを書いていいのか?
私立小学校や私立中学受験を当然とするVERYの中で
受験に懐疑的で、その上、海外移住までしてしまった彼女の視点や
ズケズケくる物言いに、「あぁ~、スッキリ!!」と思っていた。

でも、一冊の本にまとまってみたら、
なんだか彼女の悩みが垣間見えて、考え込んでしまった。
英語と算数だけできればいいと思いながら、日本の教育を捨て、
日本で出稼ぎをするためこどもと離れる期間も多い海外移住。
その上、こどもは思ったようには育たない、
あぁ…わかるわ!と思わずに読める母親なんているのだろうか。
いましかないとわかっている子どもたちの子ども時代、
どうすればいいのがすべての親が悪戦苦闘しながら
最善の選択を・・・と言いたいところだけれど、
経済的な問題などもあって、より良い選択をしている。

中学受験をして私立中学に進んだ彼女がこどもを公立に行かせる、
それはきっと経済的なものではなく、
玉石混合をこどもに教えたかったのかな。
玉石混合どころか常に泥仕合のような公立小学校を見ていると
経済的に余裕があれば、私立中学へ行かせたい!
と私は思ってしまったりするけれど。

つい、「こーんなに必死に親はやってます!」アピールをしてしまうけれど、
きっと子供が大きくなったら、「あのときは、あれが嫌だった」と
言われる。それもわかっていながら、
決断している彼女の一本筋が通った考え方は清々しいなぁとすら思えた。

彼女の文章、各種、キレがあって、素敵でしたが、
一番、「それな!それ!!」と強く賛同したくなったのがこの文章。

 

 

女のように子育てするのがイクメンじゃないのです。イクメンよ、
子育てレースに参戦するな!絵になるような子育てに疲れ果てた妻たちを
見てほしい。完全武装の妻を裸にするのがあなたの仕事。
一緒に洗濯物を畳みながら、ママ友なんて気にするなよ、
俺がいるんだから、と肩を抱けるのは、世界にあなただけなのです。

 

 

夫婦で同じ価値観を持ち、同じ目標に向かって邁進する、
それはきっと素敵な夫婦の形なのだろうけれど、
そのしんどさは計り知れない。
ダメだし、批判、非難する人々はそれこそ星の数ほどいるんだから、
夫くらいなにも言わずに妻の肩を持ってほしい。
「どこで失敗した?」と思わずにはいられないとき、
「失敗してない!気にするな!」と言うことが夫の仕事だと私も思う。

夫にそう話すと、「俺もメイさんに求めているのは同じことやで。」
と言われた。
「そうか…」と黙って私は手を出した。
「有料かい!!」と夫が突っ込んだ。
世知辛い世の中ですから。

 

 

 

 


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