ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

『国語辞典の遊び方』

本屋に行くぞ!と一家でるんるんで行ったのに、
本屋さんには欲しい本が二冊ともなかった…。
こどもたちは2,3冊の本を抱え、ほくほくしている。
私も何か読みたい!本を買いたい!と、本屋をうろうろして、
一冊面白そうな本を買った。
とても面白くて、帰宅と同時に読み始め読了!

 

著者は”学者芸人”という新しい枠だそうで、
ちょっと国語辞典かじれますみたいな芸人かと思いきや
造詣の深さにページをめくる手が止まらない!
これは文学部だった人、言語学専攻だった人、
とりあえず文系はきっと超おもしろい!と超をつけたくなる
久しぶりの一冊。

国語辞典は一家に1冊?もしかして、それって小学校からの?という
私のような人にこそ、おすすめしたい。
著者は国語辞典は”鞄”と同じだと説く。
お出かけ用、旅行用、家用、といろいろな用途に合わせて
2冊以上用意してこそ、より国語辞典を楽しめる、と。
そして、国語辞典はタイプ分けされている。
例えば、私が持っている『新明解国語辞典』は
マイノリティの味方、ワイルドな秀才で、
広辞苑』は堅物な委員長、と擬人化されている。

新明解国語辞典』以外は面白くない辞書ばかりだと思っていたけれど、
この本を読んで欲しくなったのは
新潮現代国語辞典』。

 

新潮現代国語辞典

新潮現代国語辞典

 

用例が豊富なことが特徴の辞典で、ひとつの言葉の用例に
実際にその言葉が使われている部分が文学作品名とともに
収録されている。
えっ?これ、すごくない?!と興奮したのは私だけ?
単語を引いたら、その単語が入っている文学作品の一文が出てくるんです。
ちょっと、いろいろ引いてみたい!!とすでに買う気満々。
単語を辞書で引いて、きっとそこで新しい文学作品に出会って
文学作品も読んで…と本から顔を上げられなくなる予感。
そんな”彼"(新潮現代国語辞典)は
「実はいろいろ知っている文学青年。むっつり」らしい。
もろタイプかもしれん。

もう一冊、『角川必携国語辞典』も素敵なんです。

 

角川 必携 国語辞典

角川 必携 国語辞典

 

 言葉の語源まで収録していて、古語との違いまで説明がある辞書…
もう雑誌いらない。辞書だけで、ずっと読んでおけるわ。

前出の2冊は私用。私が楽しむ辞書!
そして、子どもたちにこれを買おう!と思ったのは
『ベネッセ表現読解国語辞典』。

 

ベネッセ表現・読解国語辞典

ベネッセ表現・読解国語辞典

 

本書の中で、ベネッセの辞典は言葉を実際にどう使うかが懇切丁寧、
という説明文とともに「心配する」という単語がでてくる。
ベネッセの辞典では”心配する”対象も、
「相手のことを」「どうしてよいか考え込む」「今後のことを考えて」
「何か起こりそうで」という4パターンに分けた上で20以上の表現を
表にしている。日本語の奥深さここにあり!
これこそ、国語力の低い小学生の救世主!!
何でもかんでも「楽しかった」と「大変でした」で片付ける小学生、
ほかにも言葉があるでしょ?
言い換えて!語彙はそれだけか~!?と何度、読書感想文を読んで叫んだか。
今度から「それなら『ベネッセ表現読解国語辞典』でも引いてみたら?」と
にっこり微笑んで言える。

国語辞典の奥深さを本書で知った。
「なにか収集しているものは?」とたまに聞かれる。
いままでは「特になし!」だったけれど、
これからは「国語辞典を少々…」と言おうかと。