本屋に行くぞ!と一家でるんるんで行ったのに、
本屋さんには欲しい本が二冊ともなかった…。
こどもたちは2,3冊の本を抱え、ほくほくしている。
私も何か読みたい!本を買いたい!と、本屋をうろうろして、
一冊面白そうな本を買った。
とても面白くて、帰宅と同時に読み始め読了!
著者は”学者芸人”という新しい枠だそうで、
ちょっと国語辞典かじれますみたいな芸人かと思いきや
造詣の深さにページをめくる手が止まらない!
これは文学部だった人、言語学専攻だった人、
とりあえず文系はきっと超おもしろい!と超をつけたくなる
久しぶりの一冊。
国語辞典は一家に1冊?もしかして、それって小学校からの?という
私のような人にこそ、おすすめしたい。
著者は国語辞典は”鞄”と同じだと説く。
お出かけ用、旅行用、家用、といろいろな用途に合わせて
2冊以上用意してこそ、より国語辞典を楽しめる、と。
そして、国語辞典はタイプ分けされている。
例えば、私が持っている『新明解国語辞典』は
マイノリティの味方、ワイルドな秀才で、
『広辞苑』は堅物な委員長、と擬人化されている。
『新明解国語辞典』以外は面白くない辞書ばかりだと思っていたけれど、
この本を読んで欲しくなったのは
『新潮現代国語辞典』。
- 作者: 山田俊雄,白藤礼幸,築島裕,奥田勲
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2000/02/01
- メディア: ペーパーバック
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用例が豊富なことが特徴の辞典で、ひとつの言葉の用例に
実際にその言葉が使われている部分が文学作品名とともに
収録されている。
えっ?これ、すごくない?!と興奮したのは私だけ?
単語を引いたら、その単語が入っている文学作品の一文が出てくるんです。
ちょっと、いろいろ引いてみたい!!とすでに買う気満々。
単語を辞書で引いて、きっとそこで新しい文学作品に出会って
文学作品も読んで…と本から顔を上げられなくなる予感。
そんな”彼"(新潮現代国語辞典)は
「実はいろいろ知っている文学青年。むっつり」らしい。
もろタイプかもしれん。
もう一冊、『角川必携国語辞典』も素敵なんです。
言葉の語源まで収録していて、古語との違いまで説明がある辞書…
もう雑誌いらない。辞書だけで、ずっと読んでおけるわ。
前出の2冊は私用。私が楽しむ辞書!
そして、子どもたちにこれを買おう!と思ったのは
『ベネッセ表現読解国語辞典』。
本書の中で、ベネッセの辞典は言葉を実際にどう使うかが懇切丁寧、
という説明文とともに「心配する」という単語がでてくる。
ベネッセの辞典では”心配する”対象も、
「相手のことを」「どうしてよいか考え込む」「今後のことを考えて」
「何か起こりそうで」という4パターンに分けた上で20以上の表現を
表にしている。日本語の奥深さここにあり!
これこそ、国語力の低い小学生の救世主!!
何でもかんでも「楽しかった」と「大変でした」で片付ける小学生、
ほかにも言葉があるでしょ?
言い換えて!語彙はそれだけか~!?と何度、読書感想文を読んで叫んだか。
今度から「それなら『ベネッセ表現読解国語辞典』でも引いてみたら?」と
にっこり微笑んで言える。
国語辞典の奥深さを本書で知った。
「なにか収集しているものは?」とたまに聞かれる。
いままでは「特になし!」だったけれど、
これからは「国語辞典を少々…」と言おうかと。