ショコラ日和

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国語辞典の遊び方とおすすめ国語辞典

国語辞典だけで4冊買った私。
こどもたちとせっせと引いて遊んでいる。
ええ、辞書は遊べます!

我が家では私と子ども3人、一人1冊ずつ違う国語辞典を持ち、
ひとつの単語でそれぞれの辞書を引く、
という遊びがいま流行っている。
国語辞典が複数ある我が家だけでしかできない遊び!
これが結構、面白い。

例えば「幽霊」で引いてみてほしい。
新明解国語辞典では

幽霊ー①死者の霊が生前の姿になって現れたと
とらえられるもの〔広義では、実在するかのように思わせて
強迫観念などにとらわれている人を不安に陥れるものをも指す〕

と相変わらず懐疑的。

三省堂国語辞典では「死んだ人のたましい。亡霊」と簡潔で、
角川必携国語辞典では「死んだ人が仏になれずに、
この世に姿をあらわしたもの。
新潮現代国語辞典では

①死んだ人の魂。亡霊。
②成仏できない死者がこの世に出現するという姿。
「応挙がーを描くまではーの美を知らずに」〔草枕

と『草枕夏目漱石著の一文が引用までされている。

それぞれが自分の引いた辞典の説明を読み上げつつ、
「やっぱり新明解はひねくれてる」と言ったり、
「三国(三省堂国語辞典)は幽霊を見たんか!!」と
突っ込んだり、
新潮現代国語辞典だけ、ほかの辞典は幽霊を2つに分けて
書いているだけなのに(幽霊そのものと幽霊会社のようなものと)
やたらと詳しいのはなんで?」と言い合う。
そして、「~の記述は新明解が一番!」と決めたりする。

我が家で爆笑だったのは”ひざまずく”。
新明解辞典が「今にお前をひざまずかせて(屈服させて)やるぞ」
なんていう恐ろしい例文を載せている反面、
〔「ま」の意は未詳〕と言語学的なことも書いていたり。
(我が家のほかの辞典では”ま”について書かれていなかった)
新潮現代国語辞典が「ひざまずく」の例文に『痴人の愛』の
一文を載せていたり…。
新潮現代国語辞典に載っている作品のあらすじを毎回、
子どもたちに語っていたので
こどもたちが「どういう本?」とキラキラお目目で
私に問いかける。
夫は夫で、どう説明する気だ?と興味深そうに私を見る。
痴人の愛』のあらすじは…って言えるか~!!
というふうになったり、とても面白い。
なんで、”ひざまづく”の例文は『痴人の愛』なのよ…と
編者にニヤッとしたり。

国語辞典を大人買いしたの~!!とママ友に話すと、
おすすめの国語辞典は?と聞かれた。
我が家の太郎のようにそもそもの国語力が低い、
語彙力が少ない、あまり本を読まないような子には
私は断然、三省堂国語辞典をすすめたい。
大人で国語辞典を買う人にも新語がとにかく豊富な
三省堂国語辞典がおすすめ。 

三省堂国語辞典 第七版

三省堂国語辞典 第七版

 

解説が良くも悪くも簡潔で、
テレビなどで、どういう意味?と思ったカタカナ語も網羅。


小1の次郎は言葉の使い分け、ことわざなども各種載っている
角川必携国語辞典がお気に入り。

角川 必携 国語辞典

角川 必携 国語辞典

 

 特に”つかいわけ”というコラムは、大人の私が読んでも
「ほぉ~」となる。

読書が趣味で、本が大好き!な小5の花子はやっぱり
新明解国語辞典。 

新明解国語辞典 第七版

新明解国語辞典 第七版

 

 解説も例文もクスっと笑ったり、「なんでやねん!」と
突っ込んだり、その皮肉も含めて理解できてこその面白さがある。

辞書を複数買うようなマニアックな人や文学部出身者にはぜひ、
新潮現代国語辞典

新潮現代国語辞典

新潮現代国語辞典

 

 近現代文学作品の一節が掲載されているけれど、
「・・・読んだはずなのに、あらすじ覚えてない」
「こんな一文あったっけ…」と
もう一度文学作品を手に取りたくなる、そんな国語辞典。

国語辞典を読む…そんな風景が我が家にはいま広がっている。