ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

『ホテルローヤル』

花子と読書量対決中なので、積読本をさくさくと読んでいる。
その中のひとつがこれ。

 

ホテルローヤル (集英社文庫)

ホテルローヤル (集英社文庫)

 

 

ラブホテル『ホテルローヤル』を軸に物語は展開していく短編集。
最初の数話はいまひとつだけれど、途中から物語がつながって
結構好きかも~!なレビューに騙された。
最初の一話目から苦手、二話目も苦手、、、以下略。

小6の花子とつけている読書ノートにはあらすじを書くこと、と
ズル防止のために花子が提案した。
ホテルローヤル』のあらすじ…
「廃墟と化したラブホテルで繰り広げられる男女の性の哀しみ」
なんて…書けるか~!!なので、「★2つ」とだけ書いた。

ホテルローヤル』は昔、読んだホラーを思い出させる。
作家名もタイトルも失念した上に探したけれどでてこなかった、
井戸を覗き込んだり、ヤモリがでてくるホラーで、
その上にエッセンス的にセックス。

私の本の好みとは違うといえば、それまでなのだけれど
どうしてこうも性描写が受け付けないのか不思議なくらい、
読んでいて嫌悪感しか感じなかった。
大学時代は耽美派の谷崎や川端が大好きだった。
彼らの性描写は匂わせたり、雰囲気でエロスを作り出す感じと
性のなにかをつかもうとするその必死さが好きだったし、
多分、いまも好きなのだろうと思う。
同性愛で、直接的な性描写が多い中山可穂だって大好きだったし、
性描写=嫌悪感、なわけではないのに、
この作家が受け入れられない理由はなんなのだろう、と。

性の描き方がきらい、というくくりでいけば、
村上龍村上春樹も好きではない、と丁寧に言ってみる。
苦手な作家を考えていて、私が苦手なのは性描写ではなく
冷たい視線なのかもしれないと思った。
同じ理由で森鴎外も好きではない。
ナレーションのような地の文が冷たいから嫌いなのか!
そう思ったとき、私の苦手な分野がいまさらながらかなりわかった。

「次は何を読むの?」と花子に聞かれた。
積読本(明治からある由緒正しき歴史ある言葉!)は多くあるのに
また買った。
「次はサギサワ。」
自死で突然、いなくなった鷺沢萠、彼女のひょうひょうとした文章が、
大好きだった。
中学のときの実力テストで読んだ『川べりの道』の一部分で
これは本で読みたい!!と読んだのが始まりで、
気づくとサギサワの年齢を追い越してしまっていた。
もう一度、彼女の本を読んでみたくなって、久しぶりに買った。
懐かしい人に会いに行く気分。