ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

ないものねだり

ドイツの50代後半のパルから手紙が来た。
彼女は年老いたお母さんと一緒に暮らしている。

「メイには想像できないだろうけれど、
私の生活にはまず変化はおきないのよ。
仕事に行って、
帰って、
ソファで一息ついて、それからベッドへ上がる。
寝て起きたらまた仕事に行くのよ。
この前の休日は庭を見て過ごしていたわ。
なにも楽しいことは起きないのよ。」と。

彼女の手紙を読んで私は「いいなぁ~!!!!」と
日本で思った。
私の返事はきっとこうなる。

朝起きて、ラジオ体操に兄が弟を置いていったことに
いらいらしながら、次郎を連れて公園へ行き、
「帰ったら説教ね!」と公園で太郎に朝から宣告し、
部活の時間を間違えて、寝起きに友達にピンポンされた花子に
「準備手伝って~!!」といわれてバタバタさせられ、
夏休みなのに学校行事のために小学校へ行かなければならないこどもたちを
車で送って行き、
もちろんお迎えに行き、
友達に会えばトラブルもセットで見聞きしてくるこどもの話を
聞いてため息つきそうになり、
やりかけの宿題がリビングに散乱するのを一日何度か
「片づけて!!」と怒鳴って、
やってもやっても課題を発見する上にレポートの
締め切りが迫ってくる自由研究に疲れ…
私も毎日楽しいことは起きてないんですけれど。

庭をぼーっとみて過ごしたい。
雑草だらけなので見て見ぬふりしている庭だけれど。
日々、同じ単調な毎日の繰り返しなの、と呟きたい。
ないものねだりだわ、とドイツのパルの手紙を読みながら思った。

そんなわけで、3泊4日ほど田舎のコテージに旅に出ます。
「…もっと田舎へ行くの?」とママ友たちに呆れられたけれど
山奥のコテージに引っ込む!
引きこもり!
ぼーっと、ただただぼーっと過ごすのがバカンスってものよ。
コテージでは夫が料理をすることになっているので
積読本だけ持って、ぼーっとする!
ぼーっとするから!!と家族にも宣言している。
田舎の喧騒を逃れて山奥でぼーっとしたい…。

都会の喧騒しか知らない人は都会人だと思う。

To be yourself in a world that is constantly trying to make you
something else is the greatest accomplishment.

(エマーソン:アメリカの思想家)

(あなたを何者かに変えようとする世界の中で
あなた自身を維持し続けることはも最たる偉業だ。)

自分自身を維持する。
それはすごく疲れる気がする。
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