ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

それでも地球は回っている

数日前、我が家は一気に古代ローマ時代と現代と宗教の議論の渦に巻き込まれた。
きっかけは、末っ子の次郎、小3の理科のテスト。
73点を持ち帰った。
73点?!
次郎が80点以下を取ったのは初めてかも?!
そんなに理科がむずかしいのか?と間違えていた問題を夫と確認。


「時間がたつと、かげの向きがかわるのは、どうしてですか?」
という質問に対する次郎の答え、
「地球がまわっているから。」が×になっていて、
赤鉛筆で次郎が書かされた答え、「太陽が動くから。」


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太陽って、動くの?!と、文系の私でもなんだかざわざわする。
地球が回っているんじゃないの?という次郎の直球の質問に
夫が「なに?次郎は学校で地球は回っているって言ったのか?
そんなこと言ったら、牢屋に入れられるぞ!」と言い出し、
話は古代ローマ時代へ。

小学生の次郎と太郎は知らなかったけれど、中学生の花子は知っていた。
ガリレオ・ガリレイが地動説を唱えて裁判にかけられたこと。
「地動説をいうことは罪なのか?」という次郎の質問に
いやいや、宗教的なことで問題になって…とますます説明はややこしくなり、
コペルニクスが一番最初に地動説を唱えた」なんて花子が言い出すので
ますます複雑に。
「結局、小学校は天動説を教えているってこと?
あるいは、宗教的問題?」と夫が無理やりまとめようと毒を吐き、
収拾がつかなくなった。

同じことをNHKの夏休み電話相談で発見。

www.nhk.or.jp
次郎と同じ小3の男の子が影ができるのは地球が動くから、と
学校のテストで書いてバツになったと電話相談したら、

科学をする、それから理科の勉強で、「どこで観察するか」、
それから「いつ観察するか」という、これ「視点」というんだけど、
それはね、とても重要なことなんです。
しゅうくんは3年生で、その視点を、地上にとるか宇宙にとるか、
ということをちゃんとわきまえているので、
これはすごい。実はね、中学生にならないと、その勉強はしないんですね。
小学校はね、天動説の立場で理科の授業をするので、
太陽が動いているというふうになってしまうんです。
でも、それはね、学校の先生は、3年生の学習だからということで、
太陽のほうが動くものをマルというふうにしたんだと思うのね。
でもね、マルかバツかでは決まらない、ということをまず考えてください。

小学校は天動説を教えているの?!その答えにもびっくりでした…。
回答者の国司真先生 (かわさき宙と緑の科学館 プラネタリウム解説員)が
模範解答を教えてくれている。

先生に、「地球から見ると太陽は動いてるけれども、
宇宙から見ると地球がコマみたいに回転してるんだ」って書けば、
きっとハナマルだったと思う。

次郎にも教えなくては。
「地球から見ると太陽は動いてるけれども、
宇宙から見ると地球がコマみたいに回転してる。」と書くんだ、と。
小3でそれを書けるなら、もう中学校の理科はいらない…と思ったり。

「地球がまわっているから」と地動説を唱えた次郎、あってるよ!
ほかに間違えたところは…と確認すると、
「日向と日陰で温度計の差が出るのは地面が何にあたためられたからですか?」
という問題に「太陽」と書いたのもバツ
正解は「日光」だそうです。
現在、わが家が暖められているのはなにか、「ストーブ」って書いたら
バツってことだよ。
「熱放射」って書かないとダメっていうことか…。
それとも「輻射熱(ふくしゃねつ)」って書かないとダメなのか。
地面をあたためているものは日光で、それは太陽から出された光で、
”太陽の光”と書けば正解だったんだろうけれど、
正直、”太陽”でもよかったんちゃうの?と思ったり。

地面があたためられているのは「宇宙からのエネルギー」とか
「僕のホッカイロ」とか書いていたなら
バツつけて!!と思うけれど、
次郎の回答は本質的に違わない。
ここでバツをつける意義がどこにあるのだろうか?と思ったりしたけれど、
先生のつけたバツのおかげで、我が家は異端裁判もガリレオ・ガリレイ
コペルニクスも家族全員で学ぶ機会になったわけで、
いろんなところに学びはあるね、と終わるしかない。

「それでも地球はまわっている」