ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

名誉職

数日前、町内会の会長さんからとあるお仕事のお誘いを受けた。
「メイさんが適任だと思う。月1回、数時間で手当てもでますよ。」と。
その仕事は名前だけしか知らなかったので、ママ友や
経験者に聞いてみたりしたら、町内会役員免除という特典もあるとか。
「バイト感覚でやったら?」とママ友に言われた。
夫は「そうか、俺がそんな重要な仕事を…」と感慨深げにしていた。
…頼まれたのは私です。

私の中では60過ぎの定年退職したおじさんがしそうな仕事、
なぜに私に白羽の矢が立つのでしょうか?と率直に町内会長に聞くと、
「卒業式のあのスピーチ、すごいよかった!
なにかメイさんに頼みたいと思っていたんだ。」と
謝辞の褒め殺しとセットでお願いされるという上級テクで
最後は拝まれ…「考えさせてください」と逃げ帰った。

数人の人に相談すると、それぞれ反応は違うけれども、
みなさん、まあまあ素敵な仕事だと思ったらしい。
私は手当より名誉が得られる名誉職に近いなと思った。
きっとこれが子ども三人が成人していたら、即了承して
肩書入りの名刺でもプリンターで作り始めているかもしれない。
でも、今?!
私、まだ各種PTA役員のノルマもあってですね…
高校にこどもが入ればそこでのPTA役員くじを引く可能性も大きくある中
任期があってないような名誉職の肩書。
うーん…と考えて、「ちょっと考えてみて」と言われたので
半日考えてお断りした。結果は30分以内にでていたけれど、
すぐに断るのはダメかしら、と夕方まで待った。

夫と友人に「目立ちたくないのよね。」とポツリとこぼしたのに、
「今更?!」と呆れられた。
忘れているようですが、以前やった”会長職”も”謝辞”も
立候補でも推薦でもなく”くじ”ですからね。
人望に厚いわけではなく、ただくじ運がないだけ。
その結果がそれなりに評価されていることはうれしいとは思いつつ、
「きっと、あの人ならやってくれる!」と思われるのが本当にしんどい。
できないことはない。
やる!と自分で決めたらやり遂げますとも。
でも、自分が費やしたエネルギーに対して周囲の反応の低さ、
というものに中学時代の生徒会活動でいやというほどに思い知り、
高校からは目立たないようにしてきた。
自分がやりたいときだけ立候補して、それ以外の推薦から逃れるために。
高校時代の担任の一人に「メイさんは自分のエネルギーを
すごく自分で抑えているよね。自分を抑えるより放出することに
エネルギーを使えばいいのに。」と言われたときは、
中学校の内申書に”生徒会活動”でも書いてあるのか、
それとも性格がバレているのか…とドキっとした。
高校時代から、そういう意味で私は変わっていないのかもしれないなと
今回の出来事で思った。

どの仕事をするか、それがボランティアであろうと有償であろうと
自分で選びたいし、自分のエネルギーの使い方は自分で決めたい。
そして、なにより価値があるのは”時間”だと私は思っている。
私の貴重な限りある隙間時間を名誉職に費やす?!
それ、いますること?と考えたら、答えはNOだった。
夫には「メイさんの価値基準って、ブレないよね」としみじみと
言われたけれど、褒められた…のか?