安倍首相が有名な憲法学者について知らなかったということに
正直、驚きを隠せない。
憲法についての問題点やこれまでの学術的議論も勉強済みだろうし、
勉強しているなら、知っているに違いない学者なんです、あしべー(芦部)。
無知は罪ではないけれども、知ろうとしないことは罪だ、
と何かで読んだことがある。
意味、わからん…と思っていたけれども、安倍さんがまさに
そういう人なんだろう。
「私は学者でもないし、法学部の学生でもないから、
知らなくてもいい。」
この人の憲法観以前に教育観を見た気がする。
きっとこういう人は「文学部は役に立たない」と堂々と言う人だ。
いろんな価値観や学問を認めることはなく、そのときに使える学問だけを
勉強すればいいと思っている人。
私の故郷は江戸時代に江戸幕府よりも先じて、農民の子にも学問の機会を与え、
教育の大切さを説いた藩主がいた。
農民はクワを持ってさえいればいい、という時代だったろうに。
多分、藩主が安倍さんだったら、きっとクワを持たせ続けたことだろう。
私は文学部出身で、一般教養で法律をかじっただけで、しかもそのときの法律は
離婚法という超マニアックな法律に特化していた。
18歳の女子大生に一般教養で離婚法って、どうなん…と思ったものです。
そんな私でも「芦部」教授は憲法学者の権威として知っていた。
憲法って、なんぞや?と思ったら、一番最初に読む、
そういう基本書としてず~っと読まれている有名な本で、
「とりあえず、芦部を読め。」となるんです。
ネットで「ON(王と長嶋さん)を知らずに野球を語るのと同じだ」と書かれていた。
源氏物語や川端を知らずに、文学を語るようなものかしら。
安全運転といわれていた安倍さんだったけれども、
本性、見たり、と思ってしまった。