ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

歴史は面白い!

こどもたちの学校で学ぶ内容が低学年の頃に比べて高度になってきて、
とても会話が楽しい。
小学校6年生は歴史を1年間学ぶらしく、縄文時代弥生時代
つい先週まで言っていたのに、気づけば奈良時代
はやっ!!と驚かされた。

そんな小6の花子、歴史の楽しさに目覚めたようで、
質問が結構、細かい。
社会は得意!歴史なんて、中学の新入生テストで98点の学年最高得点とったわ!
(唯一、忘れていたのが執権…あぁ、執権…と悔しくてまだ覚えてる)
という私に、小学生の歴史なんて、何でも聞いて!と豪語していたら、
「大仏を作るのにたくさんの人が協力したって、
実際、何人?」と…。
そこ?理系は数が気になるの?と驚きながら、調べましたとも!
200万人~260万人が大仏づくりに動員されたといわれていて、
これはその当時の人口の半分だったらしい。

中大兄皇子天智天皇で、天武天皇はその弟で、
持統天皇天智天皇の娘で、天武天皇の妻で…
万葉集では天智天皇天武天皇の妻だったという額田大王が…
という人間関係のあれこれを私は語りたいというのに
娘の興味はそこではない。

「社会科の資料集によると、大仏づくりを手伝った人って、
開眼式に参加は許されなかった、って書かれているけれど、
なんで?」と。

これが難問だった…。
”許されなかった”?この時代に身分差が強くあったってこと?
奴婢はいたらしいけれど、聖武天皇って、恩赦を多く与えた
(私がネットで調べた情報)
なんていう記述もあるのに、開眼式に一般人や技術者の参加を許さない?
これを資料集に書くってことは、ここからこの時代の身分差について
書いてあったり、話が進むのかと思って資料集を読んでみても
さらっと「許されませんでした」のみ。
大仏の完成は開眼式から20年かかったという記述を発見し、
それなら、技術者や作った人が見れなかった?
いや、先に開眼式して、それから完成だから見れたのか…と謎は深まる。
本屋で日本史の辞典系を読んでもわからない!
学校で先生に聞いたら?詳しい資料集持っているんじゃない?と
先生に聞いてくるように言ってみたら、「先生もわからないって」と。

お手上げです!!
ということで、資料集の出版社にメールで聞いてみた。
せめて出典を明記してくれたら、私が調べます、と思いつつ…
出版社の社会担当者が丁寧な返信をくれた。
出版社が参考にした書籍の引用、出典明記で親切に。

(前略)この大仏をつくるために,ときには大けがまでして働いてきた人々は,
参列することができませんでした。(中略)式場に近づいても,
警備の兵士たちにおいはらわれるばかりだったのです。
古川清行著『平城京天平文化 奈良時代小峰書店p.79

天皇や皇太后をはじめ、高位の僧や役人は参加し、
一般人は追い払われた。
これをどう読むか…身分の差?となおも考える私に夫は
「セキュリティ上の問題では?」と。
一般人がサミット会場周辺に近づけないのと同じで、
サミットの施設を建設したからといってサミットには参加できない。
なんせ、出席者は高僧に天皇に皇太后ですから!
ヘンリー王子の結婚式顔負けの警備費用だったに違いない。

娘の社会の資料集のちょっとした疑問から、
一家でいろいろ調べて、かなり大仏とその時代に詳しくなった。
小学生の歴史なんてと思って、なめていた…。
「社会科の資料集の一文で、そこまで調べる?!」と友人に驚かれたけれど
疑問に思ったことを好奇心を持って調べるのが勉強の醍醐味だと思う。
いまとなっては、見た人もいない開眼式を残っている書物から
ああだった?こうだった?と仮説を立てたり推測したり、
「歴史って、面白い!!」と娘は言っていた。
そうなんです!!歴史は面白い!