ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

有名な曲のジレンマ

ピアノの発表会で有名な曲を弾きたがる人がいる。
エリーゼのために
トルコ行進曲
キラキラ星変奏曲、
子犬のワルツ、
華麗なる大円舞曲…
こういう曲を先生に渡されると「キャー!!」と
歓声をあげる人もいるらしいけれど、
私は「げぇ…」と口には出さないけれど思う。

有名な曲っていうことは、みんながメロディー知っているわけで、
外してもすぐにばれる。
ミスタッチもすぐバレる。
その上、聞きなれているのはピアニストが弾いた曲かもしれず、
そのスピードまで達しなかったときは目もあてられないじゃないか…と。

太郎は去年、そういうメジャーな曲をもらい、
猛練習して発表会を迎えた。
本番もみんながよく知っているメロディーのところで音を外さないで~と
心配させられた。
一方、花子は聞いたこともない作曲家と聞いたことのない曲。
簡単そうに聴こえるのに弾くのは意外に難しい曲で、
(難しそうに聞こえて簡単な曲もいっぱいあるのに…)
ネットでもあまり通して弾いている人はいなかったけれど
それなりのスピードで情緒たっぷりに弾いた。
本番、いつもよりもっと情緒たっぷりに!とふと思い立ったようで、
ゆ~っくりと弾き、途中でポンと忘れて、それをペダルでごまかし…
そして思い出して弾いた。
曲を知っている私や先生は口あんぐり…。
でも、知られていない曲なので、「素敵な曲だったわ~」と
ほかのママさんに言われたり、「あの曲を弾きたい!」と言い出した女の子たちも!
「花子ちゃんが女の子の憧れになる日がくるなんて!」と
先生にもかなり驚かれた。

多くの人に知られている曲は難しければ難しい曲ほど弾きたくない。
難易度の高い曲はプロのピアニストがよく弾いているということもあり
素人でも耳が肥えていて、
「この曲って、その速度とは違う」とか
「なんだか違う」ということもよくあるから。

それでも、そういうよく知られた曲が弾けるようになることを
目標にしている人は一定層いる。

昨日、アメリカのピザ配達の青年が弾いたベートーヴェン作曲の
月光第3楽章がすごい!という記事を読んだ。
月光の第三楽章って、難易度高い曲ですよ?
しかも、早く、力強く、鬼気迫るような…。
素人にしてはうまいんじゃない?っていう感じ?と動画を見たら
予想以上に早くて鬼気迫る感じがあって、びっくりしてしまった。

www.youtube.com


この青年の弾く月光第3楽章、私は好きだわ~。