ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

怒られる準備

卒業式で謝辞を読んでから気づいたことがある
という話をロンドンのパルにした。
「意外に他人からの評価にドキドキしていたということ」。
夫が「日本の式典のスピーチにジョークは入れない」
と忠告してくれたけれど
「ふつうはね。」とニヤリと笑っておいた。

各町内会長やら民生委員やら中学校校長やら小学校の全職員…の中に
一人はジョークを謝辞で言うことや場を和ませることに
不快感を感じる人がいるかもしれないよという夫の親身なアドバイス
「やるからには私のベストを尽くす!」と
ジョークも含めて決行した謝辞。

卒業生の保護者からは「泣いた!」「最後の最後で泣いた!」
「あれはこの学年の保護者がいつでも使える原稿にしよう!」
「何かあったら、あれ貸して!」とお褒めいただいた。
まぁ、お世辞8割としても褒められたのでよしとしよう。

その後ですよ、問題は。
「メイさん…ですか?」と式の後で来賓の方に声を掛けられた。
なんで名前バレしているんだ?!と思ったら、
謝辞の最後に日付と名前をフルネームで言ったんだった!
卒業式や入学式には毎回参加しているような年配の来賓の方。
はい、怒られる時間が来ましたよ…と覚悟したら、
「素晴らしかったですよ!記憶に残る謝辞でした。」と
褒められた。

…あれ?
その後も次郎の担任に絶賛され、太郎の担任に絶賛され、
花子の担任には「私のことをああいう風におっしゃってくださって…」と
謝辞のことばに感動して泣かれ、
(だって、先生、謝辞ですから8割美化で…と思いつつ、)
おかしい。
そろそろ、ちょっと年配の人あたりからお説教タイムじゃないの?と
思っていたとき、名前と顔だけ知っている先生に出会う。

「メイさん!!」と腕を強くつかまれ、隅に連れて行かれる。
はい、きた、説教タイム…と思ったら、
「メイさんの世界観に一瞬で連れていかれ、気づいたら泣いていました」と
真剣な表情で告白される。
…なんだ、これ?

その後、教頭先生に「メイさん…」と呼び出され、
あぁ、ここでお小言か!と思ったら、「しんみり聞きました」
なんて言われ、結局その後、お小言を言われることはなかった。
怒られる準備は完璧!と思っていたので拍子抜け。
ロンドンのパルに卒業式と謝辞の感想を聞かれ、
「怒られる準備は完璧だったのに。」と言ったら笑われた。
あんなに緊張して謝辞を読んで、
謝辞読み終わってからもお説教はいつどこで、だれから?と
ドキドキしていたのに、お説教はなかった。
謝辞よりお説教待ちのほうがドキドキしました。

  

にほんブログ村 その他生活ブログ 手紙・はがきへ
にほんブログ村