ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

ピアノと勉強は似ている

6歳前後からピアノをこどもたちに習い事としてさせてきた。
発表会ではどんな曲を弾くの?と聞く海外のパルたちに
花子の発表会の楽譜をwhatsapp(LINEのようなもの)で見せると
「こんな曲を弾けるの?!」と驚かれたりもした。
(花子のピアノレベルは日本で熱心にピアノを弾かせているママさんたちの
こどもの足元には及ばないレベル…だと思う。)

前回の手紙で、ドイツのパルに
「メイのところのこどもたちのように
日々、音楽に親しんでもらいたいから、
私も子どもにフルートをさせたいわ。
ところで、いつからこどもたちに音楽をさせているの?」と聞かれ、
「日本では数えで6歳の6月に習い事を始めるっていうのよ。」と書くと、
それは確かに良い時期かもね、とドイツで幼稚園の先生をしている
パルも言っていた。

ところで、この6歳の6月、なんで?とふと疑問に思って調べたら
室町時代に能を大成した世阿弥の『風姿花伝』に書かれたものだった。
風姿花伝』、「秘すれば花」などは知られていたけれど、
意外に私の頭の片隅にも入っているほど広く浸透していたことに驚いた。

「東大生の半数はピアノを習っている」とかなんとか、
ピアノを習うとやたらと賢くなるように言われることも多いけれど
それは眉唾…だと思う。
それでも、ピアノを習っててよかったな~と私が思ったことは
私もこどもたちも「家での練習がものを言う」とわかっていること。
週1回ピアノを弾いただけではうまくならない。
毎日、毎日、面白くない練習曲や指練習をして、
シャープやフラットがころころ変わり、指番号の指定に四苦八苦し…
家でのバトルの練習をまるでなかったかのように先生の前で弾く。
練習していかなければどうなるか。
先生の前でボロボロの曲を弾く。
先生にレッスンしてもらっても1回のレッスンで完璧に弾けるわけではない。
当然ながら、先生は瞬間で上達させる”魔法のステッキ”なんぞは
持っていない。
それでも、練習ではうまくできなかったところを
先生のアドバイスひとつでうまく弾けるようになったりと
コツはいくつも持っている。
そのコツを教えてもらうレベルまでに至るには地道な練習がいる。

花子が中学生になって、全く同じことを思う。
週1や週2で塾に行っているのに成績が上がらない、という話を聞くたびに
「週1、週2のピアノレッスンだけではピアノも上達しないのと同じ」と思う。
一番、重要なのは家での練習、家での学習なのだろうと。

花子は定期テストの学習時間は平日3~4時間で、
期末テスト前の学習にコピーした問題プリントは200枚超え。
テスト前に体調を崩し勉強できない期間がありつつ38度の高熱でテストを受け、
結果、1位になれなかったと悔しそうに帰ってきた。
1位の子は天才で勉強していなかったに違いない、とは私も花子も思わない。
きっと花子よりもっと勉強したんだろう。
あるいは、もっと効率よく勉強もして、そして体調も万全だったのかも。

花子たちのピアノの先生はいまでもコンサートで毎年演奏していて、
コンサート前は先生が熱心に練習している様子が
レッスンの前に先生の家から聞こえてきたりする。
「あんなにうまい先生でもあんなに練習をしている!!」
これに毎年、こどもたちが呆然とする。
あんなに上手な先生が練習するんだから、
僕たちはもっと練習をしなければいけないのか!!と目が覚める。
本当に…目が覚めるって、こういうことかと
先生は何も言っていないのにその姿勢から学ぶ。

ピアノ発表会のときも中学校のテストのときも、
結局、コツコツ、地道な早めの練習が必要なんだ…と学んだ。
もちろん、体調を万全にすることは最優先事項だということも
前回のテストで花子も私も学んだ。
そして、夏休み明けの課題テスト、花子は5科目460点超えだった。
学年の5科目平均点は350点まではいかないだろうなぁと思う。
「やっちゃった…」な科目もあったけれど、
それでも「1位とれたかも?!」なドキドキをいま、花子は持っている。
もし、1位ではなかったら?と花子に聞くと、
「〇〇くんは私よりコツコツやったのか…と思う。」と。
頭の出来ではなく、いかにコツコツやったか…。
ピアノも勉強も基本はソレ。
もちろん、その基本があった上での”才能”もあるだろうけれど、
その基本をせずに、”才能”の話をしている人が多い気がする。