ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

戦う相手


花子がコロナウイルスに感染したかもしれないと思ってから
PCR検査を受けて陰性になるまで、
日本人の友人にもママ友にも一人も言わなかった。

もし、花子がPCR検査で陽性とでても症状は発熱のみで
花子が恐れていたことは急な悪化よりも病院での隔離生活。
「夜はやっぱり出るって、前にゆきちゃんの看護師をしている
ママさん言っていたよ。」という程度。

10代でこれといった持病も既往歴もない花子が
重症化することは考えにくいとかかりつけの小児科医に言われたので
コロナウイルスの悪化はあまり恐れておらず、
(それでも2割の突然悪化するかも?には怯えたけれど)
中2とはいえ、こどもと隔離されて生活する不安があった。
夫の古いスマホを花子が使えるようにして格安SIM入れて…と
隔離されたときの連絡手段を用意した。
(今回の騒動で、花子はスマホをゲット…)

日本の医療と花子の年齢を考えると、コロナウイルスはそれほど
脅威ではない、と思っていたし、いまでも思っている。
では、何が一番怖かったか。
それは”偏見”、コロナウイルス感染者や感染者を出した病院への
偏見や中傷がたくさん報道されている。
花子が発熱期間中もそのことについてママ友たちから
コロナウイルス、私のこどもが通う小学校で出たらいじめられそう」
なんていうラインをもらったりもした。
「花子がいまPCR検査の結果待ちです!」なんて言えるわけない。
未知なものへの恐怖はみんなあって、
わかっていないからこそ余計に怖いというのもわかる。
それが差別や偏見を生んだ歴史もみんな知っている。
結核ハンセン病、そして、いまはコロナウイルス

私の住んでいる地域は田舎で、狭く長い付き合い。
インフルエンザがでれば遊んだ子の親は連絡、謝罪…が
ふつうに行われ、それをしない親は白い目で見られる。
特効薬のあるインフルエンザでこれなのに、
薬のないコロナウイルスに感染判明ってなったときには…
どこまでなにをすればいいのやらと途方に暮れた。

そんな話をオランダのパルにしたら、彼女が言った。

「メイは日本の一般的なママとは違うと私は思っているわ。
あなたはもっと現代的なママだと思うし、自分の感情を
他人に説明することがとても上手だと思う。
あなたはあなたが思っているように感染したらそれを周囲に
カミングアウトして、状況を説明していけばいいと思う。
距離をとるママさんもいるだろうけれど、その気持ちもわかるでしょ?
恐怖を感じるのは仕方ないし、説明こそが問題解決の一歩だと思う。」

花子が陽性と確認されたら、私も”現代的に”コロナウイルス
対峙しようと思った。
感染をひた隠しにするのではなく状況を説明していこう!と
心が決まった。
PCR検査結果までの時間はとてつもなく長かったけれど
そして保健所からの連絡は結局、まだないけれど!
(病院には陰性という結果報告はあったらしいけれど)
心の整理ができた。
コロナウイルスと感染した人たちが戦う羽目になるのは
コロナウイルスではなく周囲の差別や偏見だという事実は
とても悲しい。