ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

『作家のごちそう帖』

 「ジャケ買いする」と音楽が好きな友人はCDのジャケット写真だけを
見て買うことがあると言っていた。
本の場合はタイトルを見て、「面白そう」と思ったら
開いて数行読んで、自分の好みかどうかを確認する。
ネットで買う場合はレビューも大いに参考にする。

しかし、このコロナウイルスで本屋に行くこともできなくなった。
どんな本が読みたいのかもわからなくなってきた。
そんなとき、単語だけで検索をかけて引っかかった本。

新書749作家のごちそう帖 (平凡社新書)

新書749作家のごちそう帖 (平凡社新書)

  • 作者:大本 泉
  • 発売日: 2014/09/12
  • メディア: 新書
 

 

作家のごちそう、きっと東京の名店や高級店がずらずらと並び、
「そんなところへ食べに行ける状況ではないのよね」と
コロナウイルスのいま、憂鬱な気持ちになるのだろうと
いうのが一番の理由で読む気がしなかった。

しかし、緊急事態宣言も解除され、なんだか気分だけちょっと前進。
ここで一気に緩んでは元通りになる!なんて言われているけれど、
ごちそうの本を読む気にもなった。
2,3か月後には高級店に行こうと思えば行ける…
かもしれない。

紹介されている作家たちは太宰、芥川、夏目漱石森鴎外
川端もいれば岡本かの子正岡子規宮沢賢治もいる。
この本を読めば、全国の津々浦々に訪れたい名店、高級店、
老舗の和菓子屋のリストが私の手帳にできるかもしれない、
と思っていた。

読み終えた今、無性に食べたいのは湯豆腐、羊羹、塩鮭に
香の物といった和食の質素なもの。
いや、これ我が家の冷蔵庫に全部あるわ…。

本には確かに作家が通い詰めたお店も出てくる。
15日間、同じものだけを注文した、なんていう話を読むと
そのこだわりはいまだとアスペルガー?と思う作家もいた。
多くの作家が文章にこだわるように、食にもこだわり、
自炊に意外にこだわる…とはいっても何時間もかかる
手の込んだ煮物を作ったというよりもほうれん草の胡麻和えに
湯豆腐レベル。
でも、そのおいしそうなこと…。

今日の夕飯は絶対に湯豆腐!香の物。納豆にお味噌汁。
和食が食べたくなる一冊。