ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

理想と日常

花子が頭痛がすると朝、起きてきた。
小学校なら「休んだら?」とすぐに言えるけれど、
欠席も内申点も気になる中学生、時間割を確認すると
花子の苦手な実技科目もある日。
「どうしてもしんどくなったら早退したら?」と提案した。
去年の花子の担任も「欠席ではなく早退を」と言っていた。
(幸運にも?2年連続同じ担任)
そうすると、「発熱がないと早退はできない」と
子どもたち3人から言われた。
さすが市立小中学校、
そこは市の教育委員会の同じ通達でもあるのか?

発熱がなくても吐き気があって椅子に座っているのもしんどいときは?
と聞くと、「保健室で休んで、発熱がなければ
しばらくしたら戻る」らしい。
保健室、いるだけで治るような場所ではないよね?
それ、症状変わらない人のほうが多いでしょ?と突っ込むと、
「それでも発熱がなければ早退はできない」と我が家のこどもたちは
みんな言う。
頭が真四角の人と話している気分になった。
基準は発熱だけ?平熱は個人差があるし、季節によっても違うのに
一律に同じ体温で発熱かどうか決めるの?
発熱がなくても片頭痛で寝込むほどの人は?(私はよくある)
「そういう人も早退はできない。発熱がないと。」と。

早退する人を増やさないために、早退の基準をきっちりと
作っているのかもしれない。
でも、早退の基準を厳格化すると、ちょっとしんどいだけだけれど
早退はむずかしいから欠席しようとなるのでは?
私ならそうするわ…と花子に話すと、
「そもそも学校は元気な人が対象なのよ。体が丈夫な人。
毎日通えて、外で運動して、ちょっと日焼けしたくらいでは
発熱しない人。そして、そういう人たちが先生になっているから
発熱頻度の多い生徒のことをわからないのよ。」と呟いていた。

みんなそれぞれの経験を元に価値観や考え方が出来上がっていくので
我が家のこどもたちや夫(つまり私以外!)の
体の弱さはなかなか理解を得にくい。
私の両親ですら、私が元気な子どもだったので
体調をよく崩す私のこどもは「何時に寝かせているのか?」
「何を食べさせているんだ?」とよく言われる、今でも。
21時半にはみんな寝かせてますよ!起床は6時半。
中学生で21時半に寝ているのはクラスでも花子だけだったらしいけれど。
それでも、これなの!加湿器も空気清浄機もあるけれど、これ!と
何度いらっときたか。
義両親は夫の小さい頃よりは元気は孫たちに満足しているけれど。
…これより弱い夫の子供時代って…よく生きていたな、と思う。

花子は中学校でいつも声をかけてくる先生がいる、と話していた。
「担任を持っていない」「学年も、もっていない」先生で、
「そういえば、2日に1度しかこない男子生徒にもよく話しかけている」
「なんなら、毎日のように私の掃除場所で待ち構えて、
”昨日休んだけれど大丈夫?”と聞いてくる」というその先生、
とても熱心ね…と思って名前を聞くと中学校の臨床心理士だった。

花子、不登校目前の生徒として要チェックされているもよう。
本人は「なんかあの先生とよく会う」と気づいていなかったけれど。
先週も「長く休んでいたね。大丈夫?」と聞かれたようで、
「はい…」と言葉少なく返事したらしい。
そこは、大きい声で「ウイルス性胃腸炎って診断されたんです!」って
言えばいいのに。
学校では物静かな女子生徒をしているらしく先生とも話さないようなので
「花子は家で話すんですか?何か言ってますか?」と
担任の先生からも聞かれたことがある。
「担任の先生、糖質制限しているって給食残していたけれど
車の中にマックシェイクあったから!」とか
「先生が怒っても声が大きいだけで、怖くない。」とか言ってます…
とは言わないで私も黙っている。

小中学生のときにはすでに斜めなものの見方をするかわいげのないこども
ではあった気がする私ではあるけれど、
「話せばわかる。先生に言ってみる。」ということはしていた気がする。
夫は性格の違いだというけれど、
それよりもっと根本的な先生への不信感や
「なにもしてくれない人」という思いをわが家のこどもたちから感じて
なんだかとても淋しかったし、残念だった。
学校に誰か一人でも頼れる先生がいればいいのに、
話しやすい先生が…と思うけれど、「まぁ、理想はね」と
中2の花子に言われた。