ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

トラウマ

カナダに住んでいるスペイン人の妹のようなパルから
久しぶりにwhatsappでメッセージが来た。
彼女はここ数年、精神的に弱っている。
以前はもっと若さ溢れるはつらつとした感じだったのに、
どんどん増えていくピアスは自傷行為に見えてくるし、
ファッションもどんどん変わり、心配していたけれど、
カウンセラーに通い始めたという話も聞いていたので
彼女の回復を待っていた。

数週間前、彼女のおばあちゃんが亡くなったらしい。
「メイ、家族との連絡を絶つことにした。」というメッセージと
ともに教えてくれた。

彼女がカウンセラーに通うようになったきっかけ、
勉強や将来の不安からくるストレスだと私は思っていたけれど
(というくらい超真面目な学生だったから)
親族から性的虐待を受けていて、それを家族のだれも
止めてくれなかった。みんなが見て見ぬふりだった…
そのトラウマによりカウンセラーに通うほどになったらしい。

彼女はwarrior mom(戦士ママ)として私を思い出した、と。
彼女に私はいつもwarriorと呼ばれる。
そんなに私、怒ってる?と聞くと、
「いつも戦ってる!良い意味で!」と言われた。
彼女が思い出したのは、太郎が低学年の時、
いじめの前兆があった。
放置すればいじめになるから、きちんと対応してほしいと
小学校に私が出向いたことがある。
正直、いまもその対応がよかったのかどうかわからない。
確実に、小学校は”そういう親”としてみているだろうと思う。
それは私も学校に出向くということはそういうことになる、と
わかった上で行動した。
私が優先したのは、学校にどう見られるかよりも、
我が家のこどもたちにどう見られるか、だった。
こどもたちがSOSを訴えたとき、うちの母さんはすぐに動く!
ちゃんと結果も出す!ということを示した。
スペイン人のパルはそういう「親が子どもを守る!」という
強い意志表示が親にはほしかった…と。
彼らは体面を気にして、私のために動いてくれなかった、
ということが許せなかったらしい。

彼女はいま同棲している彼との結婚を考えている。
彼と付き合ってから、どんどんファッションが派手になり、
過激になり…と私は思っていたけれど、
彼女にとって抑圧されたものが放出されていたのかもしれない。
いや、ファッションが過激になったからといって、トラウマが
喪失するなんていうのは安直すぎるかも。

我が家のこどもたちにとって、彼女は「スペインのお姉ちゃん」で
花子は「カナダに行って、スペインのお姉ちゃん家に泊まる」と
いまでも言い続けるほど。
「我が家の客室はいつでも小さい兄弟たちに開けているわよ!」と
彼女も言う。
いつかそんな日が来たら、いいなぁ。