芸能人や芸人、アナウンサーであっても
本を読むと、その中身のなさにがっくりくることが多い。
レビューなどでは、「抱腹絶倒!」と書かれてある本であっても
「茫然自失」してしまうことばかり。
芸能人、芸人、アナウンサーの本は人気にあやかった本で
ファンが読むものだという気持ちで読むもので、
文章力とか引き込まれるなんてことに期待してはいけないと
常々思っているけれど、たまに手を出してしまう。
芸能人、芸人、アナウンサーで、面白い!引き込まれる!
考えさせられるわ~と思いながら読める人は
大久保佳代子と小島慶子。
その中に今回、もう一人加えることになった。
「いや、ちょっと一回読んでみて!!」と周囲の友人に
絶賛、おすすめしている。
青木さやかの本を。
『母』
末期がんでホスピスにいる母との確執、
育ってきた環境、ギャンブル依存…
売れて有名人になり、お金も持て余すほどにあるのに
満たされない気持ち…
いや、もう芸人枠ではなく、作家でいけるよ!!と本気で思った。
極めて冷静な第三者の視点を持ちつつ、ギャンブルに依存する。
その日暮らしの現実逃避…これ、純文学の私小説に限りなく近い。
しかもこの堕落ぶり、いいねぇ~!!いや、よくないけれど、
いいねぇ~!!
物語のようにハッピーエンドが作り出せない母との関係。
姉妹のような、友人のような、仲良し母娘のほうがレアだと思うよ、
と読みながら思ったり。
正直、いままでで一番衝撃だったのはジェフだったけれど…
えっ?ジェフを知らない?
芸能人関係の本の中では一番の衝撃だったので忘れられない、
『真実の愛』、聖子ちゃんとジェフの3年間の物語。
何が衝撃って、その激しい内容なのに高校の図書館にあったこと…
「いいんですか?」とつい司書さんに聞いて、
「まずいと思うから、端っこに置いている」と言われ、
あぁ、それなら…と納得しかけたけれど、読んだからわかるけれどまずいって!
青木さやかの文章力に脱帽した。
久しぶりに脱帽!
騙された!と思って、手に取って読んでみてほしい。