ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

義務か善意か

太郎の中学校の虐待されていた生徒の話を
海外のパルたちにしたら、その反応がいろいろで
お国柄を感じたりもした。

例えば、ドイツの学校の先生をしているパルは
「中学校の放置のような対応にショックよ!」と
学校に失望していた。
太郎たちの学校には毎回失望しているのに、
まだ失望させられることがあったのか!!と驚かされる。
そして、学校アンケートに「学校に感動はありますか?」と
聞けるその神経…すごいわぁ…と感心する。
あるわけないだろ!

アメリカで元学校の先生だったインディアナ州のパルは
私が経緯を話すと、
「なぜ最初に学校に報告しなかったの?」と聞かれた。
学校を飛び越えて、ことを大きくしたのではってこと?
(これは日本的発想で、アメリカのパルたちには、
校長に相談に行け、とよく言われる。
きっとアメリカの校長の権限が日本に比べて大きいか、
優秀なのか…)
それとも学校ならもっと穏便にうまく対処できたのにってこと?
と、聞くと、
アメリカでは虐待の通報は義務だから、学校の対応に
疑問を抱いたのよ。」ということだった。
そうか、国によっては通報は”義務”なのか。
日本では”善意”?””良心”?ボランティア?
なんという言葉が適切なのかわからない。

しかし、なんだろう、このモヤモヤは。
私の行動はどこか間違えていたのかしら?
それとも、もっとお互い(中学校、虐待された子、その親)の
ためにうまく立ち回れたのでは?っていうこと?と
ロンドンのパルに愚痴った。

「あなたも私も学校は対応をせずに問題を無視したと思っているわ。
そんな中で、学校に連絡して何か行動が起きるとも思えない。
この状況下で、あなたは適切な行動をしたと思う。」と
ロンドンのパルは言ってくれた。

私にできる限りの行動をしたハズ…と思っているときに
カナダのパルから長文メッセージがきた。

I am so proud of Tarou. I read this outlaud.
Will said  "We need more people like Tarou."
It's very easy to fail into the bystander effect
and do nothing and take no action about situations.
Coping by saying "Someone else will do something."
but Tarou took it upon himself to bring injustice to this boy.
That's amazing.

(太郎をとても誇りに思うわ。 
私はこれを声に出して読んだわ。
ウィル(彼女の恋人)が「太郎のような人たちがもっと必要だ」
と言ったわ。誰かがするだろうと何もしないような状況に
なりやすい。「誰かが何かをするだろう」と言いながら。
でも、太郎はその少年のために進んで行動した。
それはすごいことよね。)

bystander effect:傍観者効果
→自分以外にも傍観者がいるときには積極的に行動を起こさないこと。
集団心理のひとつ。

ロンドンのパルが「いざっていうときに対応って、
その人の人間性が出るわよね。取り繕うとしても
取り繕うことのできないなにかが。」と語っていた。
本当に…。