ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

距離感がおかしい

中学生のこどもたちの教科書を見ていると、
「えっ?!」と驚くことがある。
国語の教科書の書き順に驚かされたり
(時代で変わってる!書き順で年代がばれる)
社会の学んでいることが私の時代と違ったり…
とある中で、毎回、「ちょっとこれ…」となってしまうのは
英語の教科書。

中学生といえば、英語習いたて…。
そんな彼らの教科書に"What's up?"とでてきていて…
TPOに合わせた挨拶も知っていて、その中の一つとして
"What's up?"ではなく、これしか知らない、
これをふつうの挨拶ととらえることになるって、どうなの?と
すごく違和感がある。
アメリカ、イギリス、カナダのパルたちに聞くと、
「友達同士ならいいけれど、先生にはね…」と。
日本の中学生が友達に英語で"What's up?"と声をかける機会が
どれだけあるんだ…と思ったり。
ちょっとフレンドリーすぎる…という印象。

数日前、中1の太郎の英語の教科書を読んでいて、
また驚いた。

"Tell me about your weekend."
(あなたの週末について話して。)
"I stayed home and watched TV."
(家でテレビを観ていたよ。)
"Oh, you're a couch potato."

couch potato…こんな熟語が出てくるとは。
カウチに寝転がってポテトチップス食べている、
ダラダラしている、というような意味。
教科書にも”怠け者”と書かれている。

この会話、すごい…と呆然としてしまった。
日本語に訳したらわかるけれど、失礼すぎないか?
どれだけ仲良しの人?
ちょっと、これはどうなの?とロンドンのパルに聞くと、
「すごく仲良しの二人か、すごく失礼な人ね。」と。

なんだろう、この英語の教科書が設定している、
意識している英語を使う相手は友達限定か!?
急に友達にはなれないから、まずは見知らぬ人や知り合いから
話し始めるのに、この英語でいいのか?と心配になる。
話し言葉を意識しすぎなのでは?と。

英語の教科書がおかしい…とロンドンのパルに愚痴ると
「相手との距離感って、外国人にはわかりにくいものよ」
という話になった。
ちなみに、ロンドンのパルが見たことのある日本語の教科書、
「てめえ」という日本語があり、
カジュアルな”あなた”、すごく仲良しの人、と
意味が書かれていたらしい。
・・・それは、違うと思うぞ!
もう罵詈雑言に近い禁止ワードで、
私は実社会で聞いたことないんですけれど…。

そういえば、カナダのパルにも「お前」と呼ぶのはアウトで、
「お前さん」は問題なしなのか?
”さん”つければいいってこと?と前に聞かれたことがある。
カナダのパルの中での”お前”は、友達に使う”you"と
ほぼ同じ意味だと思っていたので、
全然違う!!と伝えたけれど。
日本語の2人称は多すぎて、どれを使えばいいのかわからないらしい。
「あなた」でいいと思うんだ…もしくは、名前にさんづけ。
そこから後は親密になって、お互いに呼び名を
変えていけばいいわけで、
”お前”呼びも”てめえ”もナシですから…。

なんだかすごい太郎の英語の教科書、
reindeer;トナカイ まで出ている。
experience(経験)より前に。
reindeerなんて単語、いつ使うんだよ!!と
突っ込まずにいられない。