ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

新しいルール

この頃、我が家で始まった新しいルールがいくつかある。
きっとどこの家庭にも親から禁止された言葉があるだろう。
私は「面倒くさい」と言わないこと!と親から言われ、
高校時代の担任には「完璧って言うな!」と言われた。
テストどうだった?と聞かれるたびに「完璧です!」と
答え、ケアレスミスがたーくさん見つかること数回…
というより毎回。
「あんたは完璧って言うな!」と言われた。
いやぁ、横暴な先生だわ…と当時は思っていたけれど、
年を経るごとに、あんなに熱心な先生はいなかったと
思うようになるんだから、忘却って怖い。

話を戻して、夫の実家では「もうあかん」と言うのを
禁止されていたらしい。
「もうあかん」は今際(いまわ)の際(きわ)にのみ
言ってよし!と言われていたらしい。

そして、我が家では「興味ない」と言うことを禁止した。
中1の太郎がスクランブル発進について私に尋ねた時、
自衛隊とか軍隊、艦隊が大好きな小5の次郎が熱く語った。
かなり詳しく説明しかけたとき、「いや、興味ない」と
太郎は遮った。
それを目の前で見た時、とてもよろしくないな、と思った。

興味関心は家族それぞれ本当に違う。
花子は化学、有機化学、鳥、数学…
太郎はカブトムシ、戦国時代、将棋、
なぜだか最近交通関係の法律、
次郎は自衛隊、軍隊、艦隊…護衛艦に書かれている数字だけで
名前がわかるらしい。そして、停泊地も…。
将来は防衛ミサイルシステムを作りたいけれど云々と語ると長い。
私の興味は比較文学言語学、国際関係…
夫は車、コンピューター…といった具合。

誰でもそうだろうけれど、興味があることへの情報は
舌を巻く。それは小5の次郎の情報ですら、
この護衛艦の名前は、主な任務は…と私が全く知らないことを
とーってもよく知っている。
せっかくそれぞれに興味のある分野が違い、
それぞれが詳しいのだから、ここは「興味ない」と
情報を遮断するのはもったいない。
情報をお金で買う時代にタダで教えてもらえるありがたい機会を
「興味ない」の一言で家の中だろうと外だろうと
喪失してしまわないようにしよう、とこどもたちに話した。
門前の小僧、習わぬ経を読むように、私もその内、
自衛隊にも鳥にもカブトムシにも一般よりちょい上くらいで
物知りになれるかも、と期待したい。

そして、もう一つ、英単語テスト大会を2日おきに開催している。
私はTOEICの英単語本。
夫は英検準1級の英単語本。
春から高1の花子はシステム英単語
春から中2の太郎は高校入試用英単語本。
そして、春から小6の次郎は漢字検定4級の漢字本。
それぞれ、15単語、新出単語(漢字)を覚え、すべて出る!
というテスト。
花子と太郎に英単語を覚えてほしいだけなのだけれど、
それでは二人がやらないので、ここは私と夫も「いつ使うねん!」
と言いたくなるような英単語を一緒に覚えることにする。
こんなん知らなくても生きていけるし!と言いたくなるような
ことを意味なく覚えるのが勉強だった…と思い出す英単語暗記。

賛否両論あるだろうけれど、賞金をつけた。
1位の人には500円!
2日おきに500円!?とこどもたちの目が輝く。
ただし、1位のみ!1位が複数の場合は折半。
こどもたちは「500円!」と目を輝かせて英単語と漢字を覚え、
私は「2日おきに500円渡したら財布が痛い」という理由で
必死に暗記する。
(私と夫が1位の場合は500円ナシ)
勉強に賞金の賛否はいろいろある。私も好きではない。
夫にその話をすると、
「大人もお金のために働いているのだから、
お金のために勉強してもいいじゃないか。」と言われ、
なぜか納得してしまった。
まぁ、いいか…と。柳のような私の信条。

この賞金500円、すごい熱戦が繰り広げられている。
線が一本抜けて漢字をミスした次郎は悔し泣きし、
(漢字ができなかったことより、500円逃したことだろうけれど)
ぎりぎりまで花子は英単語をぶつぶつ唱えたのに
最後の最後で緊張のあまりど忘れして、
「受験のときより緊張した」という迷言を残して、
親の私たちを絶句させ、
中1の太郎は単語帳で日本語訳は「~を話す」だったのに、
私が「話す」と言ったから出てこなかった!と難癖をつけ…
どれだけ必死なの!!と言いたくなるほどにそれぞれ必死。
そんなこどもたちをよそに夫と私は完璧解答でクリア。
500円阻止!

学生時代、これなんの役に立つわけ?と思いながら
とりあえず暗記させられたことが多かった。
いま、役に立っている。
意味なく覚える!とにかく瞬間、覚える!
そういうのは得意。
でも、きっとこれもコツがあって、やっているうちに
それぞれに得てきたものがあると思う。夫は例文丸暗記で、
私はひたすら書く…。
こどもたちが必要なものをさくっと暗記!のコツをつかめれば
これからの学習も楽だろうなと思う。
こどもたちが500円獲得の大きな壁に夫と二人でなりたいと思う。
毎回子どもたちの誰かが1位なら月に7500円の出費…
と考えると、私も必死。
親も必死になれる賞金500円。いい値段設定!