ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

『Wonder』

映画でも観た『ワンダー』を原書で読んでみることにした。

 

Wonder

Wonder

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アメリカのインディアナ州のパルの滅多に本を読まない息子くんが
「これはママも読むべきだ!」と力説した一冊らしい。
対象年齢は9歳。

9歳の本か…児童書っていうことか、と思いながら読み始めた。
いや、これ本当に9歳?
アメリカの9歳はこの本のすべての単語の意味を知ってる?
aversion:嫌悪感
contagious:伝染性
press charge:告発
なんて言葉もでてきますけれど!とロンドンのパルに話すと、
「意味が分からずに読んでいるっていうこともあるわよね。
私もこどものとき対象年齢が上の本を読んでいた。」と。
あぁ、そうか…なるほど。
私もそうでした。
小学生で新聞読んでいたけれど、理解できていたかは謎。
この『Wonder』、映画もよかったけれど、原作もいい!
原作のほうがより深みのある物語になっていて、
9歳にはわかるまい…と思いながら泣ける。

物語の最後の卒業式、泣けて仕方がなかった。
映画とほぼ同じ結末で、映画を先に観ているから
ストーリーも結末も知っていて、それでも泣ける。

物語の中で、PRECEPTS(教訓)がいくつかでてくる。
今月のめあて、のような形で先生から出される。
一番最初に提示されたものが、一番心に残った。

"When given the choice between being right or being kind,
choose kind.   Dr.Wayne W. Dyer"
(正しくあることか親切であることが選べるなら、
親切であることを選ぶ。 ウエイン・W・ダイアー)

実はこの本には続編がある。
物語の中でいじめっことしてでてくるジュリアンという少年、
ジュリアンになるなキャンペーンがアメリカで展開され、
ジュリアンにも多角的な面があったことを書かなくては!と
作者が書いた続編らしい。

このエピソードがまさにこの本をあらわしている。
正直、どこにも悪者はいない。見る面を変えれば、
人を変えれば、状況が変われば…そんな愛に満ちなまなざしが
物語に主眼として置かれている。
児童書としてあなどるなかれ、な一冊。
続編も読みたい!