ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

"The Brilliant Life of Eudora Honeysett"

"The Brilliant Life of Eudora Honeysett"

前から読みたいと思っていた本をようやく読んだ。
あらすじは、85歳のEudoraは尊厳を持って死にたい、
人生ですべきことはした、とスイスの病院で安楽死をしようと
手続き中。両親も他界、未婚の彼女は天涯孤独。
そんな中、隣の家に引っ越してきた10歳のRosaによって
新たな人間関係が築かれるものの、
安楽死の手続きは最終段階に入る。
自分の人生を幕引きも自分で決める、そんな彼女の決意と
彼女の偏屈さに惹き込まれる。

惹き込まれすぎて、最後の40ページほど
涙が止まらないわ、鼻水が出るわ…翌日は目が腫れて
目が開きにくいわ…になった。
27冊目の洋書だけれど、いままで読んだ中で一番よかった。
一つ難を言えば、”妹の裏切り”、って、いうフレーズだけで、
「まさか、あれ?」と誰もが思うもので、まさかのアレだった。
小説の中では頻繁に登場する王道の”姉妹の裏切り”、
そういう陳腐なのはやめたほうがいいわ~と思ったり。

日本の小説でも漫画でもドラマでも
使い古された”姉妹の裏切り”だけれど、
アメリカのドラマや映画でも往々にして観る。
そして、イギリスの本にもでてきた…ということは
世界でそれだけはびこっているのか?!
でも、実世界で一度も聞いたことないんですけれど…。
それとも、「私の素敵な彼は誰からも素敵に見えるに違いない!」
と恋は盲目だから、女性は誰もがその危機感を抱いているのか?
いや、でも私の周囲で「姉(妹)の夫(彼氏)が素敵!」
なんてことを言っている人、聞いたことないんだけれど…と
考え始めて本に集中できなくなってしまった。

しかし、それ以外のところは共感しやすいものばかりで、
仲良かった友人が結婚して住む世界が変わり、価値観も変わり、
それでもアドバイスだけは昔と同じようにしてくる、
そして疎遠になる…あるあるだわ~と読んでて切ない。

長年連れ添った配偶者を亡くした悲しみや、
長い介護の後に夫が死んでほっとする老妻の言葉とか
こどもが巣立った後の親の気持ちとか、
自分の人生を自分で決めたいという思いとか
いろいろが自分の人生のようで、1冊の本で人生を1回終えた気分。
おすすめの本を聞かれたら、
”The Brilliant Life of Endora Honeysett"と今年は言う!
と思うほどにおすすめ。