ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

猛吹雪の中の双六

新しいことを始めようとするときの抵抗勢力を感じたことがある人は
一体、どのくらいいるのだろうか。
私はいま逆風真っただ中にいて、呆然としている。
「誰かが私のスカートを踏んでいる」なんてレベルじゃない。
吹雪がすごすぎて、正直、前が見えません!状態。

地域差(つまり田舎ってこと!)や年齢もあるのだろうけれど、
言い方ひとつとっても、20以上年下の私には常に命令なのか…と
怒りや呆れを通り越して無の境地。
こういう人たちに、ひとつひとつ反論していったところで無駄なので
基本は「確認させてください」と返して、ワンクッション置く。

そして、調べて、「根拠とする法令はどこにも存在しませんでした。」
と伝えたところ、
「法律に書いてないこともあるのよ!」と不文律に従うように言われた。
「義務だから」と。
・・・ボランティア活動に義務なんて、できるんですか?と聞くと
「会長も言っていたから、組織の一員として動いて!」と。
その上、私のしたいと思っていることは”職務外”だそうな。
(いやいや、それこそ職務のひとつと”通知”に書かれてありますけれどね!)
はい、わかりました…と言うわけない。

確かに地区の会長はいるけれど、その会長の権限はそんなに強いのか?
ボランティア組織の会長の権限は組織の一員を意のままに動かせると?
義務?
職務外?
と聞いてみた、管轄の市役所に。

市役所に電話して聞いてみようと思う、と話すと、すべての人に言われた。
たらいまわしにされるだけだよ」
「誰もこの問題について詳しい人はいないと思う」
「意味がない」

電話した結果、みなさんの想像は半分正解で、半分外れ。
担当の人は離席中で、一応、同じ担当、というちょっと怪しい人に当たった。
でも、これが意外に正解で、
どの部署に回すべきかや、私の質問にもきっちり答えてくれた。
「義務ではないし、強制できません」
「あなたがしたいことは職務です」
そして、「そんなに良い案をどこにも上げられないのは残念で
やるせないから、ひとつずつ問題をつぶしていきましょう。」と
内線で別の課につないでくれた。

共感を示しているように感じるけれど、これが”たらいまわし”か?
たらいまわしにされようと、ピラニアのように食らいつくから!と
鼻息荒く思っていた。
保留中に他部署に説明も真摯に…(保留が途中で切れてて、丸聞こえ。)
とても頑張ってくれている!ところもしっかり聞けた。
(もしや、これは故意に?それなら市役所、演技の腕を上げたな!と思ったり)
めんどくさいな~ではない対応をしてくれるなんて…と意外だった。
失礼!現在、猜疑心の塊なもので。

そして、別の課の担当者もなかなか仕事ができる方だった。
「全く問題が見当たらないけれど…」と言いつつ、
他部署と協議してから、かけ直します、とその日にかけ直してくれた。
協議の結果、「規定では全く問題がなく、勘違いしている施設には
こちらから説明しました。」と。
施設に説明までしてくれたのか!と。
そして、今後の道筋としては…と「僕、個人の意見としては…」と
教えてくれた。おぉ、道筋がちょっとわかった!

今年の春、娘の高校の入学式でルターのりんごの木の話を
学年主任がスピーチでしていた。
「明日、世界が滅びようとも僕はリンゴの木を植える」
僕たち、学年団は3年後に実らないかもしれないけれど
生徒たちに毎日りんごの木を植えます。

50代後半の白髪の男性教師は実らなかったりんごもたくさん見てきただろうけれど
それでもまだ植え続けるという熱い思いに
久しぶりに教育者に会った!!まだいた!
都市伝説ではなかった!と感動し、
私も今年は実らないかもしれないけれど、りんごの木を植える!という
気概でいくぞ!と思った。
(先生のリンゴ、ここでも実ってるよ~!と思ったり)

りんごの木、小中学校の先生にも植えようとした。
守秘義務があるので言えませんが、やっぱり、リンゴは
腐った土壌や乾ききった大地では育たないんだと思う…。
そんな学校の体質を見た後だけに市役所の対応に感心したけれど、
「その隙間の支援がいるとはわかっていても、まだ対応する部署がない」
という市役所の担当者の話に、さすが公務員…と唸ってしまった。

どこも担当していない隙間問題、
それって、あなたが担当しても誰も文句を言わないのでは?
前例さえ作れば、あなたの部署が担当になるのでは?
私なら、「ヨッシャ!私が今日から担当者だ!」と思うけれど…。

そんな状態を友人たちに話すと、
「前進したね!動かしたね!」と言われ、また絶句。
いや、なにも動いてませんよ…と私は思うけれど。
この微々たる進歩をカウントしないといけないのか?
1歩前進どころか、0.3歩前進くらいですけれど。。。
双六みたいに、どこかで「5つ戻る」なんていうのもありそう。
0.3この前進に5つ戻る?!みたいな展開がきそうで怖い。

とりあえず、私の顔は売った気がする。
市役所の部署3つか4つの人たちで検討されたんだから、
そうか、そういう問題もあるのか…と誰かの心にリンゴが植えれた
カモしれない。まだ実ってないけれど。
前進0.3歩。
明日も動くぞ!とアポをとった。
双六、1つ前進すると思いたい。