ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

『本を読んだら散歩に行こう』


我が家は家にお客さんが来ることが多いと思う。
連絡なしに、ピンポーンと息子の友達が次々に来たりする。
私自身も友人を招いてお茶することが嫌いではない。
それを知っている友人に「オープンなのね」と言われ、ん?となった。
オープン…なのか?
いや、それは”オープン”とは私は思わないわ~と話していて、
「どんな人がオープンなの?」と聞かれた。

どんな人…?
オープンな人を考えていたけれど、なかなか答えが見つからなかった。
そんなとき、朝刊で見つけて読んだ新刊。
こういう本、つい読んでしまう!
『本を読んだら散歩に行こう』

読んだ本とエピソード…というよくある本で、
メモって私も読んでみたい!と思う本はなかった。
読んだことある!という本はあった。
青木さやかの『母』

何か面白い本を貸して、という友人に
「騙された!と思って読んで」と貸したところ、
青木さやか、見る目が変わった!騙された!」と絶賛していた。

そのほかの本は趣味が違うのね~と思いながらも
エピソードは楽しく読めたけれど…と考えていて思った。
私の中でのオープンな人は”本棚を見せることができる人”だ。
リビングにドーンと前の家では本棚を置いていた。
300冊を優に超えるこどもたちの本だけの本棚。
私の本は台所の横にこそっと、寝室にこそっと…
kindleの中に3桁ほどこそっと…。
本のタイトルだけで、自分の趣味趣向も好きなことも苦手なことも
悩んでいることも全部ばれてしまう。
そんな本棚、ドーン!とリビングに置けませんって!
でも、他人の本棚は気になる。
招かれた家に本棚があると、つい見てしまう…
あぁ~、なるほど…と。

歯科医院で「僕の好きな本を置いている」と歯科医が話した本棚が
ナショジオの雑誌だらけだったり、
「貸出します!」と書かれていた整形外科クリニックの本棚が
哲学と自己啓発本に溢れていたとき、
「本が大好きなんです!」と満面の笑みで語った小学校の先生の
最近のおすすめが詩集ばかりだったとき…
「ほぉ~…なるほど」と精神分析医になった気分になる。
きっとそんな癖をもつ人は私だけではないから
作家たちが読んだ本についての本が出版されるんだろう。
「鞄の中身、見せて!」みたいな雑誌のコーナーには全く惹かれないのに
「あの人の本棚拝見!」となると、急に前のめりになってしまう。
覗き趣味だと自覚しつつ、他人の本棚をしっかり見た気分。