ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

『蜩ノ記』

蜩ノ記』(ひぐらしのき)

ほぼ半世紀、年上の女性から借りた本。
「時代小説を読むなら、この人をぜひ!」
直木賞受賞し、映画化もされていた。

あらすじは、藩主の側室との不義密通により切腹
命じられている武士が家譜編纂をする。
家譜編纂を終えてからの切腹ということで10年の期限付きで
幽閉されて家族で山にある村に住む武士一家とそれを監督する侍。

武士たるもの…という武士の矜持や清貧さ、
筋の通ったところなど時代小説満載。
ラストはこうするしかないだろう、と思いつつも
やりきれなさを抱える。

「時代小説として完璧なの!」とおすすめされたときに
聞かされたけれど、確かに古き良き武士が身分社会で、
しっかりとした縦社会…という昔の時代劇感を楽しめる時代小説。
その一方で、かなり身分が上の家老の前で鯉口を切る
(つまり、刀を抜刀しようとする)なんて切腹ものではないのか?と
江戸城松の廊下事件を思うと思ったり…。
あくまでもファンタジーということで、こっちが切腹ではないなら、
あっちも切腹せんでええやん~とか
そこであの人を殺す必要はないじゃん…と思ったり。

時代小説、毎回、思う。
時代考証とファンタジーの境目がむずかしい!
水戸黄門』のように全国歩き回って、印籠出せば解決で
もう明らかにファンタジー、とするか
大河ドラマや『ダウントンアビー』のように時代考証を徹底するか…
もしくは現代人も納得できる程度の結末を迎えてほしい。

私は時代劇の『大岡越前三方一両損程度の
時代劇感のある時代小説が一番好きだなぁと改めて思った。