オランダのパルからきた手紙に紅茶のパックが同封してあった。
手紙の中にもそのティーバッグについて書かれてあった。
「あなたもオランダがかつて、インドネシアを植民地にしていたことを
知っているでしょ?
インドネシアから紅茶を船で運ばせていたのよ。」と。
さらりとですが、書かれてあったその行間に、
日本、オランダ、インドネシアの歴史が横たわっている。
オランダからすれば、日本はインドネシアという植民地を奪い、
その後の独立へと導いた。
インドネシアからすれば、いろいろと日本への禍根はありながら
独立できた。
日本も決してほめられることはない行いを戦時中にした。
三者三様の歴史、
どこの国がよくて、どれが悪いというわけではないけれど、
その歴史を私たちは背負いながら、それでも仲良く話をしている、
できる時代になったことを感じた。
国際文通するまでは、私の中では木靴と風車の国に過ぎなかった
オランダではあったけれど、特に仲良しのパルの中に
オランダのパルが二人いる。
彼女たちから学んだことが、私のオランダ情報なのだけれど、
彼女たちは最初にくどいくらいに何度も書いていた。
「オランダ人は直接的だとか露骨だとか言われるけれど、
悪気はないのよ。なにか失礼だったらごめんなさい。
ただ、興味があるだけなのよ。嫌な質問はスルーして。」と
ちょっとした私や日本への質問にも繰り返し、
この「直接的、露骨すぎたらごめん」と書かれていて、
へぇ~、オランダ人は”直接的、露骨すぎ”
という国民性だと思われているのか、と知ったくらいです。
彼女たちと2年文通しているけれども、
一度も、「露骨」「直接的」と思ったことはない。
実は、日本ではあまり報道されなかったけれども、
オランダ国王が来日したとき、歴史を振り返り、
好意的ではないスピーチをした。
それについて、「うーむ…これが直接的って、やつか。」と
なんといっていいやらの心境にさせられていたとき、
オランダの彼女たちは
「国王のスピーチに胸を痛めているけれど、
あれはオランダ人代表のスピーチだとは思わないでほしいし、
私は違う。」
「歴史をああいう風に振り返るべきではない。」
といったメールを送ってくれた。
オランダや日本の歴史や私たちの友情、
いろんなことを思い浮かべながら、ティーバッグを味わいたい。