ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

卒業式のスピーチ

PTA役員としての仕事も終わりが見えてきた気になっていたら、
「おいおい、忘れていませんか?」とママ友に言われた。
運動会?もう準備できてます!と思ったら、違った。
最後の最後、卒業式でのスピーチがあった。
謝辞。

我が家の辞書を引いてみた。
新明解国語辞典三省堂国語辞典も角川必携国語辞典も同じ、
[謝辞ーお礼のことば]と簡潔。

学校へのお礼…結構、難しい。
素晴らしい先生方に囲まれて、満喫した6年間を過ごす児童もいるだろうけれど、
出てくる言葉は「なんだかなぁ…」ばかりの六年間だった気がする。
いや、まだ半年残っているから、最後の最後で、いままでの5.5年を反故にする
逆転ホームランなんてあるかも?!という思いが捨てきれない私を
ママ友は楽天家と呼ぶのです。
期待値は限りなく低いので、何があってもかなり喜べる自信がある。
さぁ、こい!!と逆転ホームランを今か今かと待ち続けて5.5年…。

謝辞のタネになるようなエピソードはいまだないけれど、
では、ほかの人々はどんな謝辞やスピーチを卒業式でしているのかしら?と
ネットで調べてみた。
小中学校の卒業式で読まれたという謝辞、ネットの中のものはかなり読んだけれど
どれも似たり寄ったりで、面白くない。
胸に迫ってくるものもなく(”卒業式”という状況なら泣ける?)
他人の子どもの成長過程を語られましても…と、物足りない。

謝辞、ではなくても、もっとぐっとくるスピーチは
例えばどんなのがあるのだろう?と今日はいろんな人のスピーチを聞いた。
その中で、ぐっと来たのがChief Justice John Roberts。

ジョン・グローバー・ロバーツ・ジュニアは、
ジョージ・ウォーカー・ブッシュ大統領によって2005年に任命された、
第17代アメリカ合衆国最高裁判所首席判事である。
wikipediaより


10’16”よりスピーチは始まる。彼のスピーチは否定で始まる。

time.com

Now,commencement speakers will typically also wish you good luck,
and also extend good wishes to you.
I will not do that,and I'll tell you why.
(卒業式の講演者は通常、あなたへの幸運を祈り、幸あれと広げる。
私はそうしないし、その理由を述べたいと思う。)

I hope you will be treated unfairly, so that you will come to know the value of justice.
I hope that you will suffer betrayal because that will teach you the importance of loyalty.
Sorry to say, but I hope you will be lonely
from time to time so that you don’t take friends for granted.
(あなたたちが不公平に扱われることを望む、
そのときあなたたちは公正さの価値に気づくだろう。
私はあなたたちが裏切りに苦しむことを望む、
それはあなたたちに忠誠心の重要さを教えてくれるだろう。
悪いけれど、私はあなたたちが時々は孤独を感じることを望む、
孤独により友達のありがたさを知るだろう。)

彼のスピーチは「あなたたちがたまには不運になることも望む、
そうすれば人生におけるチャンスの意味や成功がふさわしいものではなく、
他者の失敗も当然ではないということを理解するだろう。」と続く。

声の強弱や高低には欠け、常に一定の声音で、さすが判事…と
思ってしまったけれど、スピーチは素晴らしいと思う。

こどもの幸せを願わない親はいないし、ついつい子どもの人生に絨毯を敷き詰め
怪我無く、不幸なく歩いて行ってほしいとも思ってしまう。
ロバーツ氏のスピーチは卒業生たちに様々な困難や不幸に直面し、
寛容さ、公正さ、スポーツマンシップなどを学んでほしいと逆説的に説く。
絨毯を敷き詰めるのとは違う親心だなぁと思う。

こんなスピーチを読もうと思う、という案はないけれど、
こんなジョークを入れようと思うんだけれど、どう?と
元教員ママに言うと、爆笑だった。
「いいねぇ!!」と。
オッケーがでたということで…。
スピーチはできてないけれど、スピーチに入れるジョークが先にできた。