末っ子が中学校の国語で枕草子を学んでいる。
「これ、何の役に立つの?」と言いながら。
それを”教養”と言うのよ、とつい言ってしまった。
でも、それをひけらかすと感じ悪くて、
「香炉峰の雪」と定子が言って簾を上げた清少納言ですら
ちょっと鼻につく。
きっとそういう感じで知識や教養をひけらかしていたから
紫式部にも「清少納言って、教養ひけらかしているけれど人として足りない」と
紫式部日記に書かれたりする。
知っているアピールはいつの時代にも鼻につくってことで
それにしても、それを日記(読まれる前提では?)に書く紫式部も
根暗すぎて、どちらが人間としてできているかというこの勝負、
正直、どっちもいい勝負なのよね~と末っ子に語った。
彰子の教育係だった紫式部のほうが時流に乗った、
という運レベルの差な気がする。
平安時代から1000年以上経てこの令和の時代には
牛車が車になり、手書きで文字をしたためることは稀になり、
なにもかもが大きく変わった中、日本のジェンダーギャップ指数は125位。
「2位ではだめなんですか?」どころか、
125位なんですけれど…。
「1位でなく、2位でいい!」と我が家のこどもたちは
日本で2番目に高い山(北岳)や県内で2番目に高い山(三室山)を
言えるようになった。
いや、2位も夢のまた夢で大変だと思う…125位の日本ですから。
先日、また言われた。
「メイさん、 女なのがもったいないわね。」と。
紫式部も弟(兄という説もある)が漢文を学ぶ横で弟より先に覚え
「この子が女なのがもったいない」と父の藤原為時に言われた、
と伝えられているけれど…
令和の今も、それを言う人がいるのか!?と驚いたけれど、
ジェンダーギャップ指数125位の日本では性別は大きいのか。
この消化できないもやもやは何なのだろう、とスイスのパルに話した。
私より10上の女友達は「メイさんが女なのはもったいない」と
寧ろ誉め言葉のように言ったけれど…と。
「スイスでも男女同権にしようと言われているけれど、
まだ同権には程遠いわよ。給料などに差はある」と
スイスのパルは言っていた。
ちなみに、スイスのジェンダーギャップ指数は20位。
20位のスイスでまだまだ、125位ですからね、日本は…。
キャリアウーマンを諦めて、育児に重点を置こう、と
キャリアより育児を選択した。
(周囲にはそういう女性たちが本当にたくさんいる、
立派な学歴もある女性たちが。)
「これが私たちの選択の結果だから」と、ジェンダーも
なにもかも飲み込んでいるけれど、今回のようなちょっとした一言で
えぐられてしまう。
いやいや、私の選択の結果だ…自己責任論だ…と思いつつ、
結婚もこどもも、仕事も、男性たちの多くは選択に迫られることなく
すべてをものにしてキャリアを積んでいることを目にしたとき
こみ上げてくるのは嫉妬ではなく怒りだったりする。
しかも、選択を迫られることなくすべてを手にしてそれを自分の
実力だと思っている男性に、
「あなたはこどもがいる中で夜遅くまで働けて、
こどもたちが病気になろうと会社に行けて、
家に帰れば夕飯があって、洗濯できているのはなぜかと
考えたことはないのか?」と詰め寄りたくなるのは、
きっとその男性がキャリアを諦めて育児と家事に専念している妻の
存在やありがたさを軽視しているからだろう。
スイスのパルは男女同権を当然と思う息子を育てることを
使命とし、家事を完璧にこなす息子に教育した、と。
「あなたの息子たちもきっと新しいタイプの男性になると思う」
とスイスのパルに「大人になった彼らが楽しみだわ」と言われた。
・・・頑張ります。