ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

先生とピアノと

アメリカの小学生のこどもが3人いるママと話していて
「どんな先生が理想?」という話になった。
彼女の娘ちゃん、学校で成績優秀の表彰を去年、受けた。
先生がこどもの関心を引き出した、と彼女は言い、
「あなたの理想の先生は?」と。

うーん…いまのところお目にかかっていなくて
正直、全く想像できない。
でも、いくつかあるものとしては、
例えば、いま求められているレベルより上の学習をしてきた子を
無下にせず、さらに上へと関心が向くようにできる先生。
私が小学生の時、先生より歴史に詳しくて
「歴史だけに詳しくても意味がない」と母が家庭訪問で先生に言われたらしい。

悲しいことに同じ状況をこどもたちの学校でも聞く。
算数が面白くて、どんどん進めて中学数学を終わらせた男の子に
先生が「そこまでする必要はないから、きっちりいまの勉強で100点取って」と
言ったらしい。
「先生がおっしゃったの?」と普段なら敬語で言うところ、
「そんなこと先生が言ったの?!」とついこどもに聞き返してしまった。

予習は穴があるのも当然だから、完璧ではないだろうけれど
興味をもって進んでやっている勉強は勉強のあるべき姿で
それはもっと賞賛していいだろうに、と思ってしまう。
「すごーい!!」っていうだけで子どもは喜ぶし、
先生の時間も手間もとらないだろうに。

そんなことを考えていたとき、こどもたちのピアノについていった。
ピアノも先生に言われたところだけ弾いてくることを好む先生と
それ以上、または別のところをやっても褒めてくれる先生がいる。
我が家のこどもたちの先生は後者で、
難しいときは宿題の曲だけ、宿題の曲が弾けて余裕があれば次を
ちょろっと弾いていく。
楽譜の読み間違い、リズム違い等いろいろとあるけれど、
先生は呆れることなく「よく頑張ってみてきたわね!」と
まずは次を弾いてきたことを評価してくださる。
それを見て、「これが先生だわ。。。」とつい、思ってしまった。
ピアノは個人指導なので、集団指導の学校とはまた違うのだろうけれど。

花子は現在、ゆったりとした女子力いっぱいの曲をここ一か月ほど
弾き続けている。同じ本の中にガンガン弾く曲も半分はあったのに
先に花子が好きな曲ばかり弾いていった結果、
残るは女子力たっぷりの繊細な曲ばかり。
「ストレス溜まるわ!!」と愚痴っていたので先生に相談したら、
「女子力たっぷりの曲を弾いてストレスたまるのは花子ちゃんらしい!」
と爆笑され、「好きな曲、なにか持ってきていいよ~」と
先生から許可をいただいたので
花子とYoutubeでいろいろと聴き、数曲リストアップして先生に相談したところ
「発表会はそれでいきましょう!」と言われてしまった。

気分転換程度で…そんなに完璧を求めていなくて…
レベル高い曲を選んでしまったんでしょうか???と慌てた。
どうやら先生はJポップやジブリ音楽を持ってくるだろうと思っていたのに
花子ががっつりクラシックを選んだので、火が付いたようです…。
「そんなマニアックな選曲!花子ちゃんが?!」と音大出のママさんにも
驚かれた。どうやら、音大出のママさんも久しぶりに聞くような
マニアックな曲名だったらしい。
マニアックな選曲すぎたのか先生には却下されましたが
同じよう曲調で花子がかなり頑張れば弾けるレベルの曲を
数曲リストアップしてもらえた。
かなりレベル的には上だけれど…まぁ、なんとかなるでしょう!と。
なんとかならないことを毎回、発表会前に思い知るんですけれどね。

曲のレベルと自分のレベルがわかってない花子、
悲愴だとかテンペストだとかピアノコンチェルトだとかラフマニノフだとか、
それ、難易度高くて有名な曲だから!!と私でも知っている曲を挙げてくるので
かなり厳選したつもりだったのに。
素人って怖いわ。

いつか弾いてほしかった「乙女の祈り」。
わかってはいたけれど、花子の好みではなく、
「お母さんが弾いたら?”おばさんの祈り”で!」と言われた。
我が家にはまだ下に二人いるので、太郎と次郎に「乙女の祈り弾いて~」と
言い続け、無理だったときは私が「おばさんの祈り」を弾こうかと。