ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

時差という味方

アルジェリアのパルから数週間前にラインがきた。
「手紙は届いているけれど、返事を書く余裕がない」と。
彼女のお母さんが原因不明ながら、日々、衰弱していっているらしい。
最初は食事がのどを通らない程度で、
何度か医師に診察してもらったものの原因不明で、
「ついにベッドから起き上がれなくなった」とラインがきたのは
数日前。
原因はまだ不明。
アルジェリアのパルはただ、お母さんのベッドの傍にいるらしい。
そして、昨日、ついに彼女のお母さんが旅立ったという
ラインがきた。

アメリカやイギリスのパルたちが、家族を亡くした人へ
かける言葉を知っている。
”I'm sorry for your loss."
私も何度もこの言葉を英語で言われた。
祖母が亡くなったとき、祖父が亡くなったとき。
"How are you?"と同じで、なんて上滑りしてしまう言葉なのだろうと
聞いた。
無難な言葉ではあるけれど。

英語は第二外国語の日本人の私とアルジェリアの彼女なので
型どおりの言葉を言うのはやめた。

「大切なお母さんを亡くしたあなたにかける言葉はないけれど、
最後までベッドに寄り添ってくれていたあなたを
お母さんはとてもうれしかっただろうと思う。
いまはきっとお母さんを思い出せば涙が流れるだろうけれど。」
アルジェリアのパルは「きっと時が癒すのでしょうね」と返信があった。

どこの国でも同じだけれど、人が亡くなった後は
バタバタするらしい。
「私の不安な気持ちや悲しみを聞いてくれてありがとう。」と
アルジェリアのパルからのラインにあった。
家族を亡くした悲しみは、時が癒してくれるけれど、
「いつでも聞くわよ!」「いつでもメールして!」と
アメリカのパルたちのメールが祖父母を亡くした時、
とてもありがたかった。
アルジェリアのパルにも「いつでも聞くわよ!」と伝えた。
なんたって、私たちには”時差”という強い味方がある。