ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

8月6日

広島に原爆が投下された日、8月6日。
岡山の小学校では、なのか私が通った小学校だけなのか
夏休みの登校日は8月6日だった。
8月6日は夏休みだけれど、登校して平和学習をする日。
暑い夏の日、一瞬にして奪われた無数の命と
いまも苦しむ人々に思いを寄せる日のひとつ。

戦争を体験した祖父母を亡くしたいま、私がこどもたちに
祖父母たちから聞いた戦争を伝えようと夕飯はおかずを質素に
お味噌汁はすいとんを作った。
こどもたちに「今日は何の日?これはおばあちゃんたちが
戦時中によく食べていたすいとんで…」と
祖母が毎年、8月には何度も私に話したことを話す。
こどもたちの反応は「これ、おいしい!また作って!」だった。
小学生の時の私も同じことを言い、祖母が悲しい顔になった。
なんで、おばあちゃんのすいとんをほめたのに悲しむんだろう?
と、そのときの私が思ったことを思い出した。
でも、こどもたちの「おいしい」を聞き、私もきっと祖母と
同じ顔になっていたと思う。
戦争体験を伝えるって難しい。
具の少ないすいとんを作っても、それがたまになら、
おいしいとも思える。
実際の戦争体験者の祖父母ですらうまく伝えられなかったことを
戦争体験していない世代の私がこどもたちに伝える。

国際文通をしていて、タブーとされる話題がいくつかある。
政治、歴史、宗教。

私も最初は避けていた。仲良しのアメリカのパルにも8月はスルー。
でも、文通を続けて数年したころ、ふと話した。
8月15日は終戦記念日だということを。

そして、各国から返ってきた手紙は、
「我が国の兵士がどこどこで何万人死んだか!」
いやいや、兵士でしょ?一般市民が死んだ原爆はどうなの?!
なんていう手紙を何往復もさせた。
その虚しさたるや、言葉には表せなかった。
そして気づいた。「戦争に勝ち負けはないんだ」と。
どちらかともなく言い出し、どの国のパルともそこに落ち着いた。
特に世界中を巻き込んだ第二次世界大戦は私のパルたちも
それぞれの自国の歴史を学び、自国の立場で語る。
被害はどの国も甚大で、得たものはほとんどない。
私たちにできることは繰り返さないことだけだ、と。
もうすぐくる終戦記念日、繰り返さない、と改めて思う。