ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

『女坂』と『おしん』をまぜまぜ

"A WOMAN IS NO MAN"

A Woman is No Man: an emotional and gripping New York Times best selling debut reading group novel (English Edition)

現在、3割読んだところ。
パレスチナに住むアラブ人の少女(!)が
数回会っただけのアメリカ市民権とりたてのアラビア人男性と
結婚を決められ、結婚式の数時間後にアメリカへ行く。
父親は気に入らないことがあると母親を殴り、
彼女もベルトを使って父親に虐待される。
きっとアメリカには自由が…と夢見る。
もちろん、見知らぬ人に近い夫とも愛し合えるはず、と。
数十年後、彼女の娘はほぼ彼女と同じ状況に陥っている。
「本がなんの役に立つの?そんなの女には無駄よ!」と
親や祖母に言われる。

これは…円地文子の『女坂』を彷彿とさせる。

女坂 (新潮文庫)

(『女坂』1957年出版。愛人の存在に苦悩する本妻に悔し泣きできる話。)
家のためには娘より息子よ。
娘なんて、所詮は嫁に出るのだから…というあの時代。
それに加えて『おしん』をミックスさせた感じ…に
私が読んでいるところ(3割部分)ではなっている。

テレビを見ているお姑さんに「チャイを入れて」と言われ、
お姑さんの好むチャイを完璧に入れる。
っが、「なに、これ、ひどいわね!」と言われる。
・・・「おしんだ!」と声が出てしまったので、
中学生の娘に「英語で『おしん』読んでいるの?」と
驚かれてしまった。

アメリカには自由がある!そこにはパレスチナとは違う
自由があると思って渡米するけれど、
アメリカにも”アラブ”はあった…しかもブルックリンに!
ブルックリンにはイタリア社会もあるようで、
ピザの描写にはお腹が鳴る…。アイスクリームもおいしそう。

洋書の本を読みながら、わからない単語を引き、メモしている
ノートがある。
そのピンク色のノートには金色の文字で書かれている。

"She believed that she could so she did."
(彼女はできると信じた、そしてできた)

この一文に見るたびに何だか励まされる、
そんな話をコロラドのパルにしたところ、
"I know myself that when I doubt my abilities."
(わかるわ、私も自分の能力を疑うときがある)と。

それは”女性が作り出したバリアだと思う”と
コロラドのパルは語っていたけれど、
森さんの発言を引っ張るわけではないけれど、
やっぱり女性が発言できない空気は存在する。
そこを無視して発言すれば、”うるさい女”になるわけで…
慣習に従えば、”無口な女””つつましい人”になる。
アラブの世界ではなく、日本の話…。

あぁ、気分が沈む…と読書しながら思っていて気付いた。
そのくらい本に没頭できるって、
私の英語力、気持ち向上したかも?