ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

"Front Desk"

16冊目になる洋書を読み終えた。
"Front Desk" Kelly Yang

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Amazon

 

中国からアメリカにきた家族がホテルの管理人になり、
がめついオーナーに苦労しながら、
周囲の人々と変わっていく児童書。

児童書…のハズ。
読んでいると何度も思う、「これが児童書?」と。
児童書っていうのは、こどもが読者層に設定されているわけで

Here, everything had a price, every kindness. p34
(ここではすべてに値段がついているの、親切ですらね)

We have to try and accept our fate. p68
(私たちは定めを受け入れなければならない)

貧しい人々は貧しい人専用のジェットコースターがあり、
お金持ちにはお金持ち用のジェットコースターがあって、
変えることはできないのよ、とメキシコ移民の女の子が
教えてくれたり…

中国から来たばかりで文法やアクセントが変なことを
からかったり、馬鹿にしたり、とする白人がたくさんでてきて、
読んでいるだけで、陰鬱な気分になったけれど、
・・・これが児童書?

4日で読み終わったけれど、その間に何度、Amazonレビューや
そのほかのサイトのレビューをチェックしたことか。
みなさんの絶賛が意味不明…と思いながら読んだ。

作文を書いて優勝者にホテル経営権の贈呈というコンテストに
300ドルのコンテスト料を払って参加して、
見事、優勝し、ホテルを経営することができる…
というサクセスストーリーかと思いきや、
コンテスト敗退。
えっ?あの300ドルは?もしや詐欺?!

中国の親戚が急にお金持ちになり、お金を借りて
ホテルを買い取ってもらおうと窮地を初めて告白し…
「あぁ、よかったね~」というわかりやすいハッピーエンドかと
思いきや、それも結果は実らず。
えっ?あんなに親しかった親戚がお金持ちになり変わった?
という失望があったり…児童書ですけれど~!

最後の最後には、児童書らしいちょっとありえない結末で
ゴールを急いだ感はあったけれど、
児童書って、そういうものだよ!夢があっていいんだよ!と
思える終わり方。

アメリカの児童書、現実を突き付けてくるわ~と恐れ入った。