30才の女性が成長する話で、感動する、泣ける…と
聞いていた。
人間嫌いの社交性のない女性の成長物語?と思いながら読んだ。
きっと私の期待する”ハートウォーミング”な物語ね!と期待しながら。
心温まる物語を期待する読者は回れ右をお勧めする。
女性の成長物語を期待して読もうとする読者にもお勧めしない。
物語の真ん中まで、ずっと不思議だった。
「これのどこが感動する成長物語になるんだ?」
スリラーじゃないのか?サスペンスか?また海外の小説に多いサイコか?
誰が危ない人なのか?と人間不信に陥っていた。
怪しいと疑っていた人が結果的にやっぱり…だったところは
ひねりがないというか、物語の中盤でもう結末が読めた…。
読み終わって思う。どこに感動するんだ?!と。
「こわっ…」と、どこでお化けが出てくるかわからないお化け屋敷感覚で
びくびくしながら読んだ。期待を裏切らないあるあるの展開。
最後の40Pほどは大団円に向かうところに安堵しながら読んだ。
あらすじは、社交性がなく、周囲の人に嫌われているEleanorが
Ramondと出会い、倒れたおじいさんを助けたことから始まる。
そのおじいさんを通して新しい出会いもある。
その一方で、田舎の歌手に一目惚れして、第一印象をよくするために
様々な活動をする。美容脱毛、散髪、ヘアカラー、デパコスに
デパートで服一式まで揃え…。
ついにはその歌手のコンサートにも行く。
恋愛話ではない、成長記録でもない。
これは一人のサバイバー(生き残った者)の記録。
ひりひりする痛みを感じることは幾度となくあっても、
感動…なんてなかったよ、私には。痛々しすぎる。
社交性がないように書かれている主人公が誘われれば新しい人たちとの
パーティーにも熱心に顔を出す様子に”イギリスの社交性って…?”と
ちょっとロンドンのパルに聞かなければ!と思ってしまった。
知らない人だらけの家族だらけのパーティーに参加できて
社交性がないと言われるなんて、私なんて引きこもりだわ…。
59冊目。心温まる物語にたどり着けない。