ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

パニック

夫の弟さんが救急車で緊急搬送された。
「これから手術をするけれど、危ないから家族に連絡してと言われた」と
切羽詰まった電話を夜9時過ぎに夫の弟嫁さんから受ける。
病院は聞いたこともない病院名で、とりあえず、
車に乗ってナビで行こうと慌ててパジャマから着替えようとする。

緊急で危険度の高い手術で家族が集められる。
そんなところへふさわしい服装って、なに?!と半分寝ようとしていた
頭はパニックもあって回らない。
部屋着のズボンからちょっと上品に、とロングスカートを選んだら
「それはあかんやろ!」とこどもたちに言われる。
上品な”黒”のロングスカートだった。
縁起でもない!
でも、黒って、無難な色で、黒のズボンに黒のスカートって多い。
結局、いつも通りのジーンズ。

そんなとき、夫の両親から電話がきた。
「容体はどうなんや?」と聞いているけれど、
夫も「こっちもいまから行くんや!」と
パニック状態の人たちの話は全くかみ合わない。
夫は早く準備したいのに電話を切らない両親にイライラしていたので
私が電話を代わると、どうやら義両親は夜に知らない病院までの
道が不安だということが主訴だった。
義実家まで行って病院へ行くと1時間ほどロスタイムするので、
義両親も行きやすい慣れた道のところまで出てきてもらって
相乗りしていくことになった。

手術の待ち時間が全く見当もつかないけれど、人数分のペットボトル飲料を
持参し、長丁場に備えて充電機も準備し、車に乗りこみ、
義両親を乗せて病院へ行った。
義母もなんだか大きな袋を持っていたので、
考えることは皆同じで、飲み物や食品を持ってきたのかしら?と思った。

手術時間には間に合い、「がんばって!!」と麻酔がかかった状態で
運ばれていくところを応援の声掛けをして、病院の椅子で座って待った。
「持っているかもしれませんが」と声をかけつつ、
弟嫁さんや義両親に飲み物を配ると、誰も持っていなかったようで
みんなすごい勢いで飲んでいた。
緊張で喉が渇く…。
「充電機もありますよ」と充電が3割しかないという弟嫁さんに
手術の長丁場に準備してきた充電機を鞄から取り出して気づく。
コードがない…モバイルバッテリー本体しかない!!
”救急搬送”、”手術”、”家族の集合が必要”に慌てた結果ですと
苦笑したら、
弟嫁さんも「ご主人の持ち物を」と救急隊員に言われて
急いで持ってきたのがこれだけ、と見せてくれたのは小銭入れ。
保険証や免許証の入った財布ではなく、なぜか小銭入れ。
そして、大きな鞄を持ってきて準備万端に見えた義母、
その大きな鞄はエコバッグやビニール袋がいっぱい。
「なんで、このかばんを持って出たんだろう」と言っていた。
みんな大慌てで集合した。
手術は4時間かかり、終わったのは夜中のほぼ3時。
それから医師の説明を受け、家に帰ったら朝5時。
そして、その3時間後にはまた”緊急手術”で集合をかけられ…
細切れ過ぎる睡眠時間にもう考える力もない。
2つの手術はどちらも無事に成功したハズだけれど、
昏睡状態が続いている。
一寸先は闇、を痛感中。

「あの人が目を覚ましたら…」と弟嫁さんが言っていた。
「タバコをやめるようにきつく言う」と。
私もい~っぱい言いたいことがある。
大変だったんですよ!何度も病院に集合掛けられるし、
よくわからない用語だらけで睡眠不足の頭で勉強して…と。

血が濃い関係の人たちは緊急事態にパニックの中、私は冷静に
行動してサポートしなければと思っていたのに充電器本体だけ持参したし。
とりあえず、早く文句を言わせてください!と願っている。
「そうなんや~」といつもののんびりとした言葉を聞きたい。