ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

『独学という道もある』

中2の花子の中学校生活をみていると、
学校って、なんだろう…という思いになる。

「同じ時間に登校し、同じ時間に同じ内容の授業を受け、
平均的で集団行動のできる人たちを作り出すのが学校」と
大学時代に教授が言っていて、なるほど!と膝を打った。
そして、その集団行動が苦手な人たちが行き着く先は…
「大学の先生」というのがその先生の持論で、
なるほど、大学には多種多様な先生たちに溢れていた。

花子が目指している大学がある。
その大学の学部に行くためには、一番わかりやすい簡潔なルートは
学区で1番の高校へ行き、
高校でもトップ集団に入り…必死に勉強して大学受験なのだろう。
5科目では問題ない。
問題は副教科と呼ばれるもの。
「副教科っていったら、副教科の先生たちが怒るから
”実技教科”って言わないといけないのよ。」
と花子も言っていたけれど。

副教科は高校受験のときに内申点という壁になって立ちはだかる。
中1の1年間、副教科の壁と格闘した。
ペーパーテストが上位5%に入ろうとも…5にならない副教科。
実技点の大きさに呆然。
それぞれの生徒の成長を評価する絶対評価ではなく、
先生の価値観の中の絶対評価で通知表はついているんじゃない?と
つい言ってしまいそうになる。

それでも、その評価基準で評価される世界に身を置くと、
「なんでやねん!」と思いながらも副教科に精を出すわけで、
それを見ていると、とーっても、なんだかなぁ…な気になる。
王道?一般的な進路を行くのならばいるのだろうけれど…
というモヤモヤしたときに読んだ本。 

独学という道もある (ちくまプリマー新書)

独学という道もある (ちくまプリマー新書)

  • 作者:柳川 範之
  • 発売日: 2009/02/01
  • メディア: 新書
 

 東大教授。
高校はいかずに大検。しかもブラジルで参考書で独学。
大学は通信教育課程。シンガポールから…。
『独学という道もある』というこの本、独学をすすめるというより
いろんなルートがある、ということを書いている。
王道ではない進路だったけれども、無駄になるものはなかった、
多種多様なものを受け入れる大学があった、大学は独学だ!という内容で、
そうそう、大学って、そういうイメージ!と思いながら読んだ。

わかっていればさくっと、わからないときはじっくりできる独学の
すばらしさを語ってあったりしたけれど、
それはホームスクーリングも同じ。
集団教育のときにはそうもいかないので、わかっていることも
わかっていないことも同じペースで進むけれど。

道はひとつしかないと思い込んでいる学生にはおすすめしたい一冊、
それぞれが目指す山の頂上も違うだろうけれど、
ルートも東西南北コースに回り道に、いろいろあることに
改めて気づく