ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

折り返し地点

裁判員生活を半分過ぎた。
きっとほかの裁判員さんたちも同じだろうけれど、
疲労が蓄積されていく。

半分を過ぎると、裁判中に検察官からも弁護人からも
異議あり」を聞いたり、
裁判長からの「却下します」も聞いた。
(公開されている裁判に関しては守秘義務はない。
傍聴人と同じ程度までなら)
ドラマと同じ展開だ~!とミーハーに思った。
「ドラマのような裁判はなかなかない」と裁判官たちが言っていたけれど
本当にそう思う。
だらだらと冒頭陳述をされたり…
思わせぶりな冒頭陳述をしたのに、拍子抜けしたり。
なぜそれを言った???と思うような発言が
弁護人からも検察官からも検察側証人からも、もちろん被告人からも…。
打合せはせずか?
「端的にお答えください」とか
「はい、か、いいえでお答えください」とか言わないのね~と
最初は新鮮な気持ちで聞いていたけれど、
だんだんと「打合せしようよ!!    」「台本用意してよ!」
「不利益になる余計なことを話しすぎだって!」と思ったりした。
多くの場合、不用意な発言をしてしまうところを何度も耳にし、
私も気を付けよう…と心に刻む。

被告人質問や証人質問も最初から予定されている割には
なぜにそれを聞く???と思うことも多く、
「あれはどういう意図ですか?」と休廷中に裁判官に確認したことも。
「多分…」と裁判官が解説してくれたけれど、
「なるほど!」と思うときはレアで、
多くの場合は、質問のやり方をもうちょっと考えたほうがいい…と
素人の私でも思ってしまったりした。

裁判員を経験した人たちのアンケートでは9割が経験してよかった、
と答えるとされている。
裁判員生活半分経過のいま、
建前は「なかなかない経験をさせてもらっている」と思う。
本音は「マジで?みんな本当にこれが良い経験だって思う?」と
思えて仕方がない。

「ないわーーーーない。ないわーーー」と毎日思う。
私がかじった法律の解釈と違うんですけれど。
マジで?
学問と実地は違うってこと?
私が学んだのは理想だったってこと?それあり?なんて思っているのは
私だけっぽい…というのもショックだったりする。
知らないから、なにも思わないのか、
知っているけれど現実はこんなものよって思っているのかすら
他の裁判員さんにも聞けない。
(それぞれに個人情報を知ることに超警戒していたので)
これが世間の常識なのか?
一般人の常識はこれ?
たった9人(裁判員6人、補充裁判員3人)の常識が
果たして平均的な常識なのか?
私の常識はそんなに外れているのか?と日々、
裁判所からの帰りにぶつぶつと考えている。
ただの怪しい人…。