ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

質問の嵐

いままで接点のなかった裁判官たちと会うこと数日、
「なにか聞きたいことがあれば、どうぞ」と言われるたびに
「はい!はい!」と質問の嵐をしてきた。

知らなかったことだらけで、質問が次から次へと湧き出る。
例えば、「社会的な関心の高い事件を担当するときの気分は?」
「記者が多い…くらいですかね。傍聴人も」という程度の
あっさり回答だった。

「社会的な関心の高い事件ばかり担当する裁判官と
小さな事件ばかり扱う裁判官とかいるんですか?」と聞いた。
多分、ほとんどの人が知らない。
事件は順番に回ってくるらしい。
「だから、運です!ただ、引きがいい裁判官もいる」とか。
社会的な関心の高い事件が”引きがいい”ほうなのかどうなのか…は謎。
「控訴されることが多いと人事評価に影響を及ぼす?」と
地裁の裁判官たちなので聞いてみた。
裁判員裁判は地裁でしか行われない)
意外にも「控訴されたからといって評価されない」との回答を得る。
確かに、控訴ばかりされる判決をする裁判官はどうなんだ?とは
なるけれども、評価はそこではないらしい。
”裁判官の独立”は保障されている、とのこと。
では、裁判官の人事評価のポイントは?と聞くと、
「謎、なんですよね…」と本当に謎そうだった。

裁判員が入ると、一般人の常識も入ってくるので
いろんな”常識”で、裁判官だけの”常識”とは違いますか?とも
聞いてみた。
一口に裁判官といっても民事畑を歩いてきた人が
ある日急に刑事裁判を担当させられるようになったり、
ということもあるようで、裁判官でも”常識”はいろいろ、らしい。
裁判官による”当たりはずれ”がないようにしよう、と
裁判官たちも思っていることを知った。

裁判員の氏名や住所は裁判官たちは知っているんですか?」と聞くと、
氏名は全員分知っているけれど、あえて覚えようとはしていないし、
何番さんがなんていう名前、とまで一致させてもいない、と。
「僕たちの名前だけ覚えて帰ってください」ということだった。
いつか高裁の判事として新聞に載っているところをお見掛けするかも!?
もしくは、弁護人に鞍替えしていたりします…?と聞くと、
「いろいろあったんだな、とお察しください」とのこと。
ヤメ検(検察官を辞め弁護人)はたまに聞くけれど、
ヤメ裁(判事を辞め弁護人)もいるらしい。
ヤメ検が多い理由を聞くと、検察庁は年次で出世する人数が決まっているようで
出世コースを外れた人が弁護人になるのでは?と。

私が裁判所で最も驚いたことが”結婚指輪着用率”だったりする。
裁判員にも既婚男性が数名いらっしゃるけれど、
結婚指輪着用率0%。
「休みの日はつけますよ」とか
「奥さんが言うとつける」なんていう回答もあった。
しかし、裁判官たちはみなさん結婚指輪を着用し、
書記官の指にも結婚指輪が!
法の番人たるもの婚姻関係の遵守も当然なのか?
寧ろ、つけないことは問題ありなレベルなのですか?と聞いたほど。
「・・・考えたことなかったです」という回答だった。
職業柄、結婚指輪を着用できない人たちもいるけれど
裁判官は外す理由もないっていうだけなのか???