ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

間違い

太郎の高校から18時過ぎに電話があった。
「A高校の1年D組担任の佐藤です。」と深刻そうな声で。
入学して1週間で担任から電話があるって、なに?と動揺していると
先生は続ける。
「お母さん、太郎くんから今日のことを聞いていますか?」と。
えぇ?!太郎から報告を受けるような、
高校から自宅に電話があるようなこと?
暴力行為?喫煙発覚?万引き?
ほかになにがある?
どれもうちの太郎がするように思えないんだけれど…
(”うちの太郎ちゃんに限って!”ということではなく、
あの太郎が暴力行為なんてできるわけもなく、喫煙もしないだろうし、
万引きせずとも太郎は守銭奴でお金もある…)
「朝の登下校で…」(年に5人はその高校の生徒が救急車に乗る、という
交通路の多いところを通る高校)
という先生の話に「交通事故ですか?」と聞くと、
「いえ、違うんです」と先生。
簡潔に用件だけをさっさと話してください!と思いながら聞いていると
なんてことはない、登校中に自転車で一人こけて、制服のズボンが破れた、と。
・・・それだけ?
制服が破れたっていうことを伝えてくださったんですか?と
頭の中で暴力行為、万引き、喫煙、各種犯罪にトラブルを想像した私は
拍子抜け。
「入学してまだ1週間なのに、ちょっと修復が難しい大きさの穴で…」
と言われて、我に返る。
いや、そうよ、それ!7回も着ていない新品の制服のズボンじゃん!
帰宅途中の息子に電話で穴の大きさを聞くと(帰ってくるのが待ちきれず)
「中学校の制服に開いたズボンの穴くらいで、たいしたことはない」と。
あぁ、そうか、たいしたことはないならよかった!と思ったけれど
中学校のズボンは3年着た結果、それ7回しか穿いてないズボンです…。

そんな電話を受け取った数日後、電話が鳴った。
「山中さんか?」と。「ええ、そうです」と応えると
「お宅の駐車場なんだけれど…」と、おじいさんが駐車場を語る。
隣の車がこっちに寄せて駐車するのをどうにかしてほしい、
という話で…
「はい?うちの駐車場ですか?」と聞くと、
「そうや、おたくのやろ?B市や!」と。…B市は近隣だけれど、
そんなところに我が家の駐車場はない。
「それ、間違えていませんか?」と聞くと
「お宅、A市もB市もC市も駐車場もっている山中さんちゃうんか?」と。
どうやら不労所得でがっぽりの山中さんがいらっしゃるようですが、
「残念ながら、その山中さんではないですね。間違えてますよ」と伝えると
「そうか」と残念そうに言っていた。
いや、私も残念です。同じ苗字でそんなお金持ちがいたとは…。

2件の電話でダメージを受けていると、高3の娘が実験結果の考え方が
まとまらない、という話をしてきた。
結果を見ての考え方がそれぞれ違う、と。そういうことはしばしば起きる。
先日、我が家の夫が後期高齢者の飲み会に”若者”として参加してきた。
長老は86歳のおじいさんで、「最近の男は奥さんの尻に敷かれすぎだ!」と
お酒が入って言い始めたらしい。そして夫に言ったらしい。
「86年も生きていれば人を見る目には自信がある。
山中さん!あんたの奥さんはやわらかい、やさしい、今時めずらしい女性だ。
あんたは奥さんをきちんと操縦できてそうだな!」と。

夫は「やっぱり86年生きてても人を判断することは難しいんだな。」と
メイさんを”やさしくて、人柄のやわらかい、扱いやすそうな奥さんだって”と
楽しそうに言っていた。酔っ払いめ!
いやいや、「やっぱり86年生きている人は人間の本質がわかるんだわ。
私の優しさや柔らかい人間的本質を見抜かれているなんて!」と私は思った。
今年はこの言葉で生きていけそう。
「優しくて柔らかさがにじみでている」そうなので。