ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

ガラスの家

洋書を読んでいて出てきた表現がある。
"People live in glass houses shouldn't throw stones."

直訳をすると、「ガラスの家に住むものは石を投げてはならない」、
日本語でいうところの「人を呪わば穴二つ」、
「脛に傷をもつものは他人の批判をしないほうが良い」。
今風に言うと、「特大ブーメラン刺さる」というところか。

ガラスの家ならば投石は大問題だわ~、
うまいこと言う!と思ったのだけれど、
これを和訳するとき、翻訳家たちはどのように訳すのだろうかと
考え続けている。
「人を呪わば穴二つ」なんて急に登場人物が言い始めると
ちょっと不気味な上に、最近の若い人はそんなことを言わないような…
「ブーメランくるで!」と我が家の中高生たちのように言えば
人間性がすごく軽く聞こえる。
我が家で私がこの話をしてから”ガラスの家”と呼んでいる。

そんな”ガラスの家”翻訳を課題のように考えてた時、
読売新聞の捏造記事を読んだ。
事実改変?作文?捏造?どういう言い方をするのだろう。

4月6日の夕刊の記事で”談話の捏造”を行い、8日の夕刊で訂正。

4月17日には毎日新聞朝日新聞日本経済新聞のネットニュースで
”談話の捏造”が取り上げられていた。
我が家は夕刊をとっていなかったので、ネットニュースで
読売新聞の”談話の捏造”も”夕刊での謝罪”も知った。

その後、経緯の説明や謝罪をどのように掲載するのだろうかと
毎日チェックしていた…。
5月1日に、ついに朝刊にもあっさりと掲載された。
談話の捏造発覚から今日に至るまでのほかの記事での”説明責任”や”追及”やら
社説の誌面の言葉の寒々しいことと軽々しいこと。
よそのことを批判できる立場にないじゃん!というツッコミを
全国の読者が毎朝入れているだろうと思ったとき、”ガラスの家”を思い出した。

「読売新聞 捏造」で検索すると2023年7月20日の読売新聞オンラインの
記事が出てくる。
「警官「捏造」証言 何があったか検証し説明せよ」と。
”特大ブーメラン”って、こういうことよ…。

新聞記者が記事を捏造する。
しかも、一人で捏造して掲載ではなく、そこに数人の記者が携わっていた、
となると、チェック機能は働かなかったことに驚いてしまった。
読売新聞という大きい新聞社でも、なのね。

www.yomiuri.co.jpそして、またその検証と説明の物足りないこと。
これだけ待たせてその説明で十分だと思っているのか?とまた驚く。
新聞への信頼、というものを失った瞬間だった。

”説明責任”とか”検証”とか”チェック体制”
”職業倫理”なんて言葉をこれからは誌面で使っているのを見つけるたびに
「ガラスの家…」と呟いてしまう。