ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

愛犬の訓練

我が家のバーニーズ、ついにトレーニングを始めることにした。
紆余曲折あったし、どういう考え方をすればいいのかもわからず
ネットを彷徨った割には有用な情報にたどり着けず…だった。

我が家のバーニーズマウンテンドッグ、1歳5か月で45キロになった。
正直、困ってない!
引っ張り癖もなく、無駄吠えも要求吠えもなく、攻撃性もない。
それでも、大型犬なのに訓練してないの?という周囲の目に疲れ、
獣医に相談すると「いまは問題なくても45キロなので
コントロールできる間に訓練しては?」と。
コントロールが効かなくなってから訓練所に連れて行っても
何も変わらないことが多い、と言われ、
なるほど、そういうこともあるのか、と訓練所を訪問した。
ドッグトレーナーや警察犬訓練所などいろいろありますが、
おすすめは?とかかりつけの獣医師に聞くと、
「大型犬に慣れている警察犬訓練所」ということだった。

我が家は結局、3箇所の訓練所やドッグトレーナーを回ったことになる。
もちろん、ネットを調べてレビューを見て…それでもいまひとつだった。
例えば、1か所目のドッグトレーナーは生後半年の我が家の愛犬を見て
「非社交的で訓練が入りそうにない」と言った。
(生後半年が訓練の適齢期だったのに!!と警察犬訓練所でも
ひたすら言われた。どこのドッグトレーナーやねん!と)
大きさに驚いていたので、大型犬に慣れていないトレーナーだったのだと思う。
2箇所目の訓練所は警察犬も育てているところ。
友人が実家の愛犬を預けて訓練してもらったことがある、ということで
行ってみた。

警察犬訓練所、ってこういうところなのか…と思った。
服従をさせるぞ、という気迫が伝わる訓練士に愛犬が吠え、
最後まで決して心を許さない態度だった。
訓練士が目を合わせるだけで吠える。
訓練1か月目にすることを言われて、やってみるように言われると
我が家の愛犬はできた。
次にはこれをします、ということも、すぐできた。
ただ、すぐ飽きた…。フードを使ってトレーニングするということで
朝食抜きで行き、2粒ずつ与えられるフードにも興味なし。
「食が細い」と言われた。45キロの愛犬ですが…。

しつけ教室では飼い主が愛犬をコントロールすることを覚える、
という趣旨で、”飼い主の”しつけ教室、ということを感じた。
私の”犬の飼い方”教室か…とあそこに通うことを考えただけで
ため息が出るのはその訓練所の考え方も、昔ながらだなぁ…と思ったから。
警戒心が強くなっていることから、去勢をもう少し早めにするべきだった、
という話をされた。バーニーズは股関節形成不全が多く、去勢の時期を
遅くすることが有効だと獣医に言われていて、と説明したところ
「獣医と訓練士では立場が違うから、重視するポイントが違う」と
いう話に、重視するのは健康か訓練か、ともやもや。

もう訓練しなくてもいいかしら?と家族会議をすると
「もう1か所行って決めたら?」と娘が言うので、
もう一か所、別のところへ体験に行ってみることにした。
魚屋のお姉さんのような威勢のいい訓練士さんのいる警察犬訓練所。

警察犬訓練所って、もう雰囲気わかってるのよ。
ボスと部下、従わせる静かな気迫の訓練士と反骨心溢れる頑固な愛犬、
軍隊のような訓練所…と思ったら、全然違った。
魚屋のような威勢のいいお姉さん、従わせるぞという気迫がなく
ただの犬好きに見えるようなフレンドリーさに
我が家の愛犬、あっという間に”お友達認定”して、撫でてもらう。
その後、昭和の訓練士風の所長も出てきて
私が愛犬以上に警戒したけれど「おぉ、バーニーズ!」というと
撫でた…。我が家の愛犬、気に入ったようで撫でてもらいに股の間に入っていく。
(バーニーズ、股の間に入って行って撫でてもらうことが好き。
我が家では”洗車”と呼んでいる。洗車機のように通りながら撫でるから)
服従させようという気配がないからか、愛犬も警戒心が緩み、
ずっとお座りして撫でてもらっていた。
「無駄吠えをしていない」「馴染むのは早い」「攻撃性はない」
「慎重派」と言われた。
「バーニーズは警戒心が強い犬が多いけれど、この子はその中では
警戒心はない、賢い」と
所長に言われたので、ここに決めた!
最初の一か月は友達になるために遊ぶ期間で訓練はほぼしない、
ということで、期間は半年くらいかかるらしい。週2で…。
こどもの塾代くらいの金額ですけれど…。
費用対効果が…とか気にしたらダメだ、と思ってしまうところも
まさに”子どもの塾”と同じ。
「うちの子、塾行かせているんで」と同じ感じで、
「うちの子、訓練に行かせているんで」と言うためだけのような…。

ドッグトレーナーにも訓練所の訓練士さんたちにも何度も聞かれた。
「お困りごとは?」
・・・ない!
散歩のときの引っ張り癖もほぼない。
後ろをちらちら見て歩調を合わせてくれる。
吠えてくる犬に攻撃しに行きそうになって引きずり倒される、
なんてことも一度もない。さっと方向を変えたり、
通行人や犬が通り過ぎるまでお座りさせて待機するようにしている。
訓練所の他の犬に興奮した時にお座りをさせたところ、
「これはうまいこと考えましたね!」と言われた。
なにかのしつけ本で興奮したらお座りさせると書いてあったので
訓練でするのだと思っていたけれど、警察犬訓練所の訓練士さんたちは
こういう方法はしないらしい。

家の窓から外に吠えることはあっても、
「おしまい」と言えば以降は吠えない。
訓練所でも訓練士さんに吠えたので「おしまい」と声をかけると
その後は吠えず、「立派!」と訓練士さんにほめられた。
では、何のために訓練に行かせるか?
「もしものときに」「なにかあったら」と周囲の人が言うから。
私自身は、どれだけ訓練していても”もしものとき”には家庭犬訓練レベルで
制御できるのか?と思っている。
警察犬訓練所やドッグトレーナーに訓練をお願いしたオーナーたちの多くは
「戻ってくると同じ」「性格までは変えられない」と言っていた。
そこに訓練前後で犬の行動に差があるのか?と思ったりもしている。
もちろん噛み癖がひどい犬や引っ張り癖が強すぎて常に走って散歩している、
というような犬には訓練前後の差はあるだろう。
でも、我が家の愛犬、”お困りごと”ないんですけれど…。
なにをもってして、私たちは”訓練の成果だ”と思うのだろうか。

大型犬に慣れていないドッグトレーナーだったのだろう、
と我が家では思っていたけれど、
警察犬訓練所にはジャーマンシェパードがたくさんいて
訓練士さんたちも大型犬の扱いには慣れているだろうし、
見慣れているだろうけれど…「大きいな!」と言われた。
我が家の愛犬はジャーマンシェパードより一回り大きかった。