ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

上からの援助


「卒業したら、ランドセルって、どうする?」ともうすぐ小学校を
卒業する花子に聞かれた。
担任の先生が「私のランドセルは発展途上国のこどもに寄付しました!
使わないなら、寄付しましょう。」と言ったらしい。

うーん…と考え込んだ。
花子のランドセルを使う予定はない。
下の弟二人もランドセルを持っているし、中学では規定の通学カバンがある。
ただ、中古を寄付する、という感覚には抵抗を覚える、
と花子に話した。

なんで?と聞く、花子に「中古を贈られてうれしい?」と聞いてみた。
「うーん…物によるし、人による」と正直な回答が返ってきた。
中古品、”おさがり”は嫌がる人もいるし、欲しい!という人もいる。
喜ばれる人には私はどんどんおさがりを回すけれど、
見知らぬ誰かに中古品を贈ることには抵抗がある。
特に、”発展途上国”のこどもたちに”中古のランドセル”って、
なにその上から目線の援助は?
中古でもうれしいでしょ?という気持ちを持つって、失礼な気がする。
それに、その中古品を送るにも送料というものがかかるわけで…
花子が国内の事務局に送って、そこから海外に行く送料はどうなってるの?
本当にそれは現地に届いているの?
それは現地で喜ばれているのか?と疑問に思ってほしい。

そして、もう一つ、やっぱり気になるのは”文化の植民地化”、
と呼ばれるもの。
大きな団体(名前を忘れたので)がアフリカの栄養失調のこどもたちに
ピーナツバター味の栄養補助食品を毎日与えた。
結果、そのこどもたちは西洋の食品の味に慣れ、
伝統的な食文化を忘れていった…こういうことを文化の植民地化という、
となにかの本で読んだ。

ネットがどこででもつながるいま、各国の文化や言語を維持することは
とても難しいと思う。意図的にではなかったにしても、
結果的に文化を喪失させていることも多々あると思う。
こどもたちにはそういうことを敏感に考える人になってほしい。

花子は「調べて納得してから送るかどうか決める」と言っていた。
お母さんは一番、役に立つのは何だと思う?と聞かれた。
中古のランドセルや中古の衣料品ではない、
お金でしょう!
ただ、お金が少ないから、私のできる範囲で…
中古のランドセルを寄付しようとしたこにとは意味があると思う。

にほんブログ村 その他生活ブログ 手紙・はがきへ
にほんブログ村