ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

ご近所づきあい

引っ越しをしたのは同じ町内。
徒歩10分以内の距離なのに、こんなに違うの?!と
驚くことがたくさんある。

一言でいえば、「セレブ」なんです、周囲が。
以前から住んでいた人々によると
「昔は〇〇の田園調布と呼ばれていた」とか
「ここに住んでいる」といえば、一目置かれたとか…
「医者と学者と芸術家と社長しか住んでいなかった」とか…。
4択にない我が家まで住むようになり、時代の変化を感じる。

旧居では野菜のおすそ分けをもらったり、煮物のおすそ分けをしたり、
ご近所づきあいをしていた。
独居老人もいて高齢者も多かったので、
なにかあれば気安く声をかけてくださいね~という意味で。
もちろん、こどもたちのうるさい声には多少、目をつむってもらう、
という目論見もあって。
でも、きっとこれがご近所づきあいで、お互い様の精神。

そのおすそ分けも家庭菜園のレタスやダイコンに始まり、
小鉢の煮物や漬物…と夕飯の足しに、という程度だった。
引っ越してきて、そろそろ仲良しのご近所さんができた。
船乗りだったご主人と日本全国、世界もいろいろと訪れたという
若々しいおばさま。
現在も英会話をおばさまは学び、ご主人はスペイン語を学んでいると。
そのおばさまにおいしいお茶をいただいた。
おばさまのふるさとの銘品だそうで、とてもおいしかった。
今年は帰省なんてできそうもないので私も
ふるさとの味をお取り寄せして、おすそわけをした。
これで、お返しをしたぞ!と思った。

「こないだはありがとう」とそのおばさまから
ここのトンカツはおいしいから!とお礼にとんかつをいただいた。
5人分!!えぇ?!家族5人分のトンカツ?!と驚いていると、
「若いから、これでは足りないでしょう」とポテトサラダつき。
もちろん5人分。
しかも、「これは即売り切れだから予約したのよ」と。
ここの野菜はおいしいのよ~、家族多いからとレタスも。
我が家はおばさまにいただいたものだけで夕飯になった。

これはまずい…なにか返さなければ…と夕飯に、と
山菜おこわを作り、おすそ分けをした。
おばさまはお年なので、炊飯すら面倒だとおっしゃっていたので
久しぶりの山菜おこわにとても喜んでもらえた。

そして、お礼にコーヒーセットをいただく…いやいやいや!
エンドレスですけど!私のお返しより上のものをいただいてばかりで…
とその後もおすそ分けをするけれど、
お返しに指定ゴミ袋をいただいたり、
観光雑誌(新品!有料の!)をいただいたり。
返しても返してもキリがない。
そして、私の上をくるおばさま…。
こどもたちにまで「もらいすぎやで。」と言われる始末。
いや、もう返すものがないから!

きっとどこでも同じなのだろうけれど、セレブな世帯が集う地域は
ご近所づきあいをあまりしない…とは皆さん、口々に言いつつ、
いろいろと教えてくれる。
植物のことから庭のことからご近所さんのことから人生も。
「草も木も子どものことも悪い芽は早いうちに摘むのよ。」
「小さいことを大きくなる前に始末することが大切よ。」
「人生はいろいろあるわ。本当にいろいろ。でも、続くのよ」とか
その辺の講演よりためになること間違いない。
溢れるおばさまたちの人生訓に、ついつい聞きこんでしまう。
ついおばさまたちと話し込んでしまう。
その結果、地域に住んで30年の人に
「もうメイさんのほうがご近所さんに詳しいかも」
と言われるほどにご近所さんたちとしゃべった!
合言葉は、「なにかのときは、よろしく!」と「お互い様」。
そして、ついに地域の民生委員さんに「困っている人がいたら教えて」
と言われた。
私、引っ越してきて2か月未満ですけれど…
そんなにしゃべっているように見えます?バレてます?
あそこは独居だけれど、息子さんが毎日来るようなので、
いまのところは大丈夫。
あそこのご主人はいま入院中で…でも、近くに娘さんが…と
すごく詳しいことに気づく。

新居に慣れて、旧居のご近所さんとは縁が切れ…なわけもなく、
前の家のお隣のおばちゃんから電話もよくかかってくる。
「ちょっと!コロナワクチン、まだとれないんだけれど!」と。
80代のおばちゃんで無理なら、私の番はこないわね~と
おしゃべりしたり。
いまのところ、ご近所トラブルなし!