ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

価値観

親子喧嘩をした。
「10代の娘と売り言葉に買い言葉のけんかをしないで。」
「挑発しない!」と夫に怒られた。

つくづく思う、「やってられない」と。
反抗期の大変さ…と一言でいえば終わるのだろうけれど、
こどもが自分の価値観を見出しつつある時期なのかもしれない。

中3の花子は「私は親の敷いたレールに乗っているだけなのかも」と
思い始めたらしい。
「ドラマの見過ぎじゃない?」と突っ込み
夫に「しっ!」と言われる。
夫は「わかるよ。」と言っていた。
夫も高校受験のための塾に行き、「すげー!」と言われる高校に
入学した夫は中学時代、花子のように親の敷いたレールに
乗っかっていることに疑問を抱きつつ、期待に応えようとした、と。
だからこそ、花子の気持ちもわかるよ、と言う。

甘ったるい!!
私にはわからないわ。塾を選んでもらって、送迎してもらって、
期待してもらって、文句言う?
その環境がもらえない人たちがいることを知らないの?
家事をして、勉強時間を作り出して、
2時間程度の作り出した学習時間をいかに効率的に勉強するか、
塾は期間限定の夏期講習だけで、もちろんバスや自転車で行く。
そんな中学生を私はしたので、勉強だけすればいい環境を与えられて
それに文句を言える人たちがわからない。
期待されてる?どこが問題なの?
そもそも”させられてる”と思うなら、やめたらいい。
どこの高校へ行こうと、それは花子の人生で私には何もないから、
と話すと、
「誇らしいでしょ?」と夫と花子に聞かれた。
偏差値の高い高校へ行くこどもをもつことが誇らしいか?
いいえ、私は他人のふんどしで相撲をとろうとは思いませんがな。

花子は塾の後半戦の(花子にとっては)予習単元連続の中、
必死に予習して最上位クラスで6位をとったことを
もっと褒めてほしかった、らしい。
6位で…?
いや、6位の価値が私にはわからないよ。
1位とか最下位とかもっとわかりやすいのならともかく6位。

夫は「塾生のこたちは復習単元でも、花子には予習。
その中で6位をとったんだから、ほめたらええやん。」と。
結果で褒めるっていうこと?
6位で褒めるの?7位のときは褒めないの?と言うと、
「上位に入るために練習問題も2回したのに!」と花子は言った。
私はそういう努力こそ褒められるべきで、結果ではないと
常々思っているのだけれど、結果だけほめるの?
結果がでたときだけ褒めるで、本当にいいのか?と確認してしまった。
努力したのに結果がでないことなんて、五万とあるけれど。

そして、花子の言い分で、「それは違う!」と夫と声を揃えて
言ってしまったことが、
「塾に行かせたのはお母さんなのに、塾代が高いっていう。」
というもの。
塾代、8万円近くでした…テキスト代込み。
高い、確かに高いよ。
でも、私が言いたかったことは…と言いかけたら夫が、
「花子に塾代の価値を上げろって言っているんだよ。」と。
その通り!
塾でして終了、で8万円は高い!
その問題集をどれだけ使いこなすか、何度、解き直しをするか、
塾の先生にどれだけ質問をするか、
通り一遍ではない方法で、塾代の価値を上げることはいくらでも
できるのに、それがされてない!
その8万円の使い方はもったいないでしょ!と思って言っていたのに
通じてなかったのか…。

10代のこどもの親ほど、ひどい仕事はない。
当たりやすいところで、何を言ってもいいかのように当たられ、
やっていることの評価はされず、感謝もなく、文句だけ言われ、
しかも無休で無給。なにこれ?!

何が腹立つって、中学校の担任からの暴言ストレスとか
成績ストレスとかすべて私にぶつけてくるところ。
「当たりやすいところに当たらず、本人に直接言いなさいよ!」と
花子を挑発して、
「大人でしょ?」と夫に確認される。
花子も担任の暴言にストレスを溜めていたらしい。
価値観は夫も私も花子もそれぞれ違うことを認識したけれど、
「本当にあの担任だけは…」というところでは一致。

私より夫に近い価値観をもつ花子は夫に
「親の敷いたレールにとりあえず乗って、
違うところに興味が出たら乗り換えたらええやん。
どこに興味がでても、乗り換えがしやすいように
ちゃんと考えてレールを敷いているから
とりあえず、レールを走ってみたら?」と言われ、腑に落ちたらしい。
なんだそれ?と私は思ったけれど、
またレールを走る気になったらしい。
鉄道で一番大変なのは、きっと線路を作る人だなと思った夜。