ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

今年の発表会

こどもたちのピアノ発表会があった。
10日前から高2の娘の体調不良が続いた。
日中は元気なのに夕方から39度の高熱が続くこと3日、
かかりつけ医を受診し、抗生物質をもらう。
3日経ても状況が変わらないため再受診し、ついでに血液検査…で
意識を失い、脱水もあるからと点滴。
翌日も若干、よくなっている気がするけれど、
休みに入るのでついでに点滴…。
その足でピアノ発表会に出た。

調子が万全ではない、
またふらっとくるかも、と不安がある、と娘は
今回の発表会は行きたくないと言っていたけれど、
「行きなさい」と行かせた。
体調が万全ではないとき、思ったような調子ではない時、
そういうときにもやらなければいけない試験も仕事もある。
残念だけれど、できる限りでやるしかない。
そういう体調管理も含めて、今後は気を付けるしかない。
どんな状況でも、やれることをやりなさい!と送り出した。

娘のピアノ、「ショパンがベートーベンに聴こえるんですけど…」と
ピアノの先生に言われるような力強い演奏が売り。
力強い演奏しかできないともいう。
今回の発表会の娘のピアノ、貞子が生き返ってきたのか?!というような
死にかけ幽霊のような演奏だった。。。
絶不調を知っている先生はハラハラしながら見守ったことかと。
とりあえず、完遂。

一方、家のピアノではうまくいっていた中1の息子、
「頭、真っ白になったねー」と本人も言っていたけれど、止まった。
私の心臓も止まった瞬間があった。
「家のピアノとは反発というか反動というか、違うんだよ…音も」と
舞台のピアノについて語っていた。
家のアップライトピアノと舞台のグランドピアノの差に気づくとは
レベルアップしたのね~と思うことにする。
練習量は足りなかった気がするけれど。
先生に「次郎君のピアノって、弾けるような音で、
聴いていて楽しくなる」と前日のお稽古のときに言われた。
次郎は「いま、ピアノが楽しいから!」と返事していた。
来年こそは!!と毎年のように発表会後に思う。

今回のピアノ発表会は息をのむ瞬間
(つまり演奏が止まったり、止まりかけたり)も多く、
ハラハラ、ドキドキばかりで、クラシック音楽で眠くなる~なんて人にも
「ドキドキで眠れない!」演奏ばかりだったことだろう。
もちろん、スムーズに譜面通りに弾いた人も多かったけれど…
教科書的すぎてなにも惹かれない、面白みがない…と思ったり。
一音目から、あぁ、この人は上手な人で、ちゃんとした音楽教育を受けている!
(音大出身だった)
と思う人もいた。ミスはなかった。惹かれるものもなかった。
その一方で、こどものときにピアノをお稽古で習い、
再開したのだろうな、というママさんのワルツがあった。
ダンスのしにくそうなワルツではあったけれど
彼女の挑戦と努力の跡があちこちに見られる演奏で、
とても惹かれて、演奏後には精いっぱいの拍手を私も送った。
そして、私もなにかに挑戦しよう!と思わせるピアノ演奏だった。
誰かにそう思わせるピアノ演奏、すごいことだと思う。

今回のピアノ発表会の一番の収穫は中3の息子が
「受験が終わったら、またピアノを再開したい」と言い出したこと。
「趣味として楽しみたい。ピアノの音が好き。」と。
それを聞いて私も先生も感無量…。
宝くじが当たったら、やっぱりグランドピアノを買おう。
宝くじ、買ってもないけれど。