ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

『フランスの女は39歳で”女子をやめる”

誕生日がまた近づいてきて、なんだか焦る。
40代、その入り口が見えてくると、わくわくするような
焦るような気分になってくる。
”女子高生”のときは、その看板がいやでいやで、
早く年を重ねたい!と思い、女子高生を卒業した時は
ガッツポーズをしたくなるほど嬉しかったが、
その次に背負った看板は”女子大生”。
はぁ…なにも変わってない!と憂鬱になったことを覚えている。

そんなアラフォーのエッセイを読んだ。
『フランスの女は39歳で”女子”をやめる』 

 三十路を迎えるとき、周囲の人たちが憂鬱になっていたけれど、
どんどん自由になっていく。
十把ひとからげの看板がないって、最高じゃないの!と思っていたのに
最近、不安。
私はこれを”第二の思春期”と呼んでいて、
「あれ?こんなはずではなかったのに!」とまた焦ったり、
本当の私は…と自分探しを始めたり、理想と現実のギャップに
ため息をついたり。

「37歳から42歳は、すべての人にとって不安感が一番高まる年代です」
『パッセージ―人生の危機』1976年

フランスには「歳をとって自由になっていく」というポジティブな
考え方もあります。

『フランスの女は39歳で”女子”をやめる』

そう、これ!年を重ねて自由になる、枠組みがないから。
結果、だんだん不安になる。なんせ、ロールモデルがない。
こうなりたい!というのもなくて、迷走する。
作者も迷走気味で、同じく四十を迎える夫に誕生日のプレゼントに
何が欲しいかを尋ね、「3P」と言われる。

そうなの?そうだったの?と私が言われたら驚いてしまうけれど、
作者はなぜか第2の女性を探し始め、誘惑する計画を立て
実行に移し、エッセイまで書く。
配偶者とは違う恋人を持つ人が多いように本書では書かれているけれど
それ、フランスだけ?パリだけ?作者の周囲だけ?

Sex And The City』の友人に恵まれないフランス版?と思いながら
読んだけれど、その中で死について語られる部分があった。

19世紀のドイツ哲学者アルトゥル・ショーベンハウアーは、
「人生の丘を登っているときには死をみえていないが、反対側には死が存在する。
丘の頂上にたどり着くと死が見えてくる。それまでは死がただ
聞いたことがあるくらいだったとしても」と言っている

40歳、平均寿命を考えると折り返し地点で、人生の丘に登ったところ。
それでも死を感じるか、折り返し地点に立っていると思うかと
問われると、全く感じない。
人生の丘、まだ登頂していないのか。
自分探しにロールモデル探しに子育てにと忙しい40代の
エッセイを読みたい。