ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

化学の塾、半年目

化学の塾の帰りに花子から塾で学んだことを毎回、聞く。
理解できる話は2割くらい…。
なにがどうわからないのかもわからない、という
壮大な迷子になった気分になる。
落ちこぼれの子って、こんな感じなのだろうか。

今週は先週に引き続き、化学グランプリの過去問、
有機化学をしたらしい。
家で11問解き、2問間違えていた、と。
「盛大に勘が冴えていた箇所もあった」と先生が笑って
教えてくれたけれど、そもそも高校生でもできないでしょ!
と言いたくなる難易度だったらしい。
「それでも、花子ちゃんは骨格構造を理解していた!」と
先生は大層、感心してくれた。

へぇ~っと、先生の話に相槌を打ち、
帰りの車中で花子に聞く。
「今日は有機化学よね?骨格構造って、なに?生物みたい。
それとも漢字が違う?」と質問し、
「骨格構造、炭素の。」という話から、ぺらぺらぺら~っと
骨格構造だとかシスだとかトランスだとかの話をされた。
一緒に聞いていた夫と
「英語のほうがまだわかる…8割わからない!」となった。
残りの2割は”見栄”です。

今回、教えてもらった有機化学の中で、先生ですらわからない、
教科書にも書いてない、マクマリー有機化学にも載っていない!と
花子が興奮して教えてくれた問題があった。

2015年出題の有機化学
化合物Bの13CNMR(核磁気共鳴)スペクトルを測定すると
(え)本のシグナルが観測される。13CNMRとは、有機化合物の
構造決定に使われる機器分析であり、化学的環境の異なる
炭素原子を別々のシグナルとして観測することができる。
炭素の同位体として、天然には主に12Cと13Cが約99:1の比で
存在するが、圧倒的に多い12CはNMRでは原理的に観測することが
できない。

この(え)にあてはまる数字が今回の問題だったらしい。
正解は5.

高校の化学教科書はもちろん、マクマリー有機化学にも載っていない。
そして、そこから問題は1990年にノーベル化学賞を受賞した
コーリー(Eris James Corey)のプロスタグランジン類の
合成の話へとうつっていく。

30分ほど、計算式の話をしたりと先生と考えて結論が出たらしい。
「これ、捨て問だ…」と。
そこまではすらすらといけたのに、(冴えた勘も含み)
花子は「もうだめだ…」という気分にさせられたらしい。
その集中力の切れ方が天晴だったようで、
先生に「難しい模試でも受けて、テスト慣れいるかもよ。」と
花子は言われていた。
さらっと模試のことを口にする先生を
「なんてことを親の前で…」と花子は先生を呆然と見ていた。

化学の塾に入塾した当初、実際、いまの花子で化学グランプリに
挑戦したら、何点取れると思いますか?と
先生に花子がいないとき、聞いたことがある。
「100点くらいかな?(300点満点)ふつうの化学の得意な
高校生くらいだと思う。」と言われた。
確かに化学グランプリの平均点は毎年100点前後で、

高校生(化学が得意なこの)平均点。
今回、「花子ちゃん、いまは150点は取れると思う。」と
300点満点の半分くらいまでは得点できると言われるようになった。
花子は「冴えわたる勘で20点ほど上乗せできる気がする。」と
変に勘に自信をつけていた。

約半年の学習の結果で50点か。
これが多いのか少ないのかはわからないけれど、
半年前はちんぷんかんぷんだった有機化学
いまは興奮気味に嬉々として語っている花子を見ると、
学習成果は見てとれる。
それが化学グランプリの点数に結び付くかどうかは
正直、どっちでもいい。
知的好奇心を刺激し続ける化学とその先生に出会えたことがよかった。
そして、その意味不明な単語の羅列を私が必死にネット検索して
花子に解説しなくてよくなって、ストレスが減った!
「先生に聞いて!」って言えるの、最高に楽ちん。

無機化学を学ぶためにおすすめの本も先生に教えてもらった。
1冊がまた高い…上下巻か。