ショコラ日和

海外文通を通して、世界の友達と井戸端会議しています。

感情労働

ロンドンのパルと家事における夫の分担について話したとき、
「ちょうどそういう記事を読んで、夫に送り付けたところよ!」
と話していた、unpaid labour(無報酬労働)や
emotional labour(感情労働)についてだというその記事を
私も送ってもらった。

https://www.harpersbazaar.co

www.harpersbazaar.com読んだ感想、
「これ、私が英語で書いた記事かしら?」と思うほどに
私がいつも言っていることが書かれていた。
そうか、イギリスでも同じってことか…。

筆者は母の日の贈り物に家事サービスを欲しいと夫に言うと、
予算の都合で希望するすべては無理で、「バスルームは僕がするよ」
と夫が言い、夫がする。夫が浴室掃除をしている間、
部屋は3人の子どもたちによりしっちゃかめっちゃかになる。
「なんで子どもが寝ている間ではなく、起きているときにした?!」
と突っ込む…とかね。
想像が容易にできすぎて、読んでて深いため息がでる。

例えば、箱があった。それを後回しにしていたら、
見えているはずの夫も何もしなかった。
わざと二日間無視した。
私が彼に言えば彼は片づけただろうけれど、頼みたくない、
と筆者は言う。

わかる!わかる!超わかる!より上でわかる。
私もいつもそれで夫にキレる。
「なんでしてくれないの?!」と夫にしたら突然に爆発する。
箱が見えてないのか?!と私もなるけれど、
夫も筆者の夫と同じ、
「頼まれたらしたから、言ってくれたらいいのに」。

社会は女性や少女たちに家事の責任を負わせるけれど、
男性には甘いことも書かれている。
「育児は女性のほうが得意だから」とママ友が言った時、
女性の方が得意なのは本能ではなく、経験値の差だよ、と私も言った。

こどもたちが新生児のとき、小さな爪を新生児用の爪切りで切ることが
私にとっては恐怖でしかなかった。
手先が不器用な私がこんな小さな爪を切るなんて、怖すぎる!と
夫に頼んだら、「怖いから無理」と言われた。
手先が器用な夫は「怖いから無理」でパスできた新生児の爪切り、
手先が不器用な私ががんばるしかなかった。
そこに女性の本能的な何かがあったか?あるわけないだろ!と
今でも怒りながら夫に言う。
結局、3人のこどもたちの爪を私は切り続けた。
夫は一度もしなかった、「僕は苦手」と。
私の方が手先が不器用なことはお互いにわかっているのに
それでも新生児の爪切りを私がやり続けた。
私がこどもたちの爪切りを夫よりうまいとしたら、それは手先の
器用さによるものではなく、経験値によるもので、
育児はほぼそれに尽きる。
本能的にできることなんて、ほぼない。
泣かせ続けた結果、経験値が磨かれているだけだと身をもって知った。

記事にでている女性たちの夫は家事に協力的で、
何か頼めば文句を言わずにして、皿洗いや寝かしつけもする。
周囲の女性たちに比べると、ラッキー…なんだけれど…
というそのモヤモヤ、わかる~!

追加で私の例も記事に挙げてほしくなるほど。
私の場合は、ここ5,6年毎年言う。
「誕生日に1日ホテルに1人で宿泊したい!」
旅行に行きたいわけじゃない。家から30分のホテルで良い。
エステして、部屋でぼーっとご飯食べて、ぼーっと過ごしたい。
トイレ掃除も洗濯も掃除もせずに。
夫も毎年言う。「どこのホテルにする?みんなで行こう!」と。

女性のみなさんなら、安易に想像できるだろう。
ホテルへ行くために家族の宿泊準備、忘れ物がないか、と確認して
夕飯にはみんなのリクエストをすり合わせて、
帰ったら大量の洗濯ものと家事に追われる…。
違う~!と叫んで、未決行のまま。

家事を意味する英単語、
thankless work (感謝されない仕事)
behind-the-scenes work(直訳は”舞台裏の仕事”だけれど、
これは日本では”名もなき家事”と言われている)
emotional labour(直訳は感情労働
emotional labour、感情労働というよりケアとかサービス業の仕事で、
家事や育児をひっくるめて意味するのかな?

ロンドンのパルには記事の感想を送っておいた。
「これ、私が書いた記事?」と。
読んで大きなため息しかでてこないけれど
いかに対等に家事分担するか、それを伝えるか、
ミレニアム懸賞問題の一つに加えてほしい。